「鎌倉殿の13人」大江広元役の栗原英雄、小栗旬から「一番の極悪人」
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」（NHK総合ほか）で大江広元を演じた俳優の栗原英雄が18日、鎌倉女子大学・岩瀬キャンパスで行われた同作のグランドフィナーレイベントに中継で登場。衝撃的な展開となった最終回に込めた思いを明かした。この日は主演の小栗旬をはじめ小池栄子、坂口健太郎、宮澤エマ、菊地凛子、山本耕史、宮沢りえが出席した。
三谷幸喜が脚本を担当した大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。12月18日の最終回当日には、舞台となった鎌倉市にある鎌倉女子大学・岩瀬キャンパスで、キャスト陣のトークショーと、最終回を鑑賞することのできるグランドフィナーレイベントが行われた。このイベントは札幌放送局、名古屋放送局、京都放送局、大分放送局をサテライト会場として同時刻にリモートで開催。京都会場からは大江広元役の栗原英雄が、札幌会場からは源頼家役の金子大地、トウ役の山本千尋がそれぞれ中継で参加した。
栗原が演じた大江広元は、源頼朝（大泉洋）の亡き後、2代目将軍の頼家（金子大地）を支えた13人の宿老の一人。頼朝、頼家亡きあとは、義時のブレインとなり鎌倉を支えてきた。邪魔者が浮上するたびに「消えてもらいましょう」と頼朝や義時に進言してきたことから冷徹な人物として視聴者に恐れられていたが、彼の能力を高く評価する政子の前では普段は見せない表情をのぞかせたりとギャップが大いに受け、政子＆広元コンビも人気を博した。
京都からの中継で栗原が登場すると、小栗が「一番の極悪人ですよね」と茶化して会場は大爆笑。栗原も「わたしが極悪人です」と返答し、さらに会場を沸かせた。そして小栗が「そこに一人ではなかなか大変だったんじゃない？」と呼びかけると、栗原も「そうですね。（鎌倉会場の）皆さんを見ていていいなと思いましたけど、広元も京都に帰ってこれたということで、会場の皆さんと一緒に観させていただきました」と寂しそうにしながらも、一視聴者として最終回を見届けた心境を語った。
小栗演じる主人公・義時の最期について「物語では描かれていないですが、義時が死んだ後に（広元が）どういう風に声をかけたのかなというのは考えていました。きっとよく頑張ったなとか、そういう言葉をかけたんじゃないかなと。でも義時の死で、自分の役目も終わったんじゃないかなと思いましたね。一番つらい時期をともに過ごしたのは義時ですからね」と語る栗原の言葉に、小栗も「そうなんですよね」と共感。
さらに栗原が「（広元と）同じ年に（北条）政子さんも亡くなってますからね。わたしたちの時代が終わって、坂口くん（北条泰時）がおいしいところを持っていく」と続けると、鎌倉会場のキャストは大爆笑。小池も「でも（自分たちも）希望が持てましたよね。ラストに向けての泰時（の姿）に、もうこれで思い残すことはないと。それくらいすてきでしたよね」と坂口に呼びかけると、「最終回で政子と義時が話す二人のシーンで、太郎というセリフがすごく出てくるじゃないですか。実は放送が終わった後、小栗さんに話しかけようとしたけど、これは泣いちゃうなと思って。だから一回落ちついてから小栗さんに話しかけようとしたんですけど、また泣きそうになってしまった」と述懐。栗原も「はたからみてもいい親子でしたね。僕個人としても、役としてもそう見ていました」としみじみ語っていた。（取材・文：壬生智裕）