『ハムナプトラ』俳優激変、272キロの肥満男に…A24『ザ・ホエール』4月公開

　『ハムナプトラ』シリーズのブレンダン・フレイザーが主演を務めるA24最新作『ザ・ホエール』が、2023年4月に全国公開されることが決定した。

【画像】272キロの肥満男、最期の5日間…『ザ・ホエール』場面写真

　『ザ・ホエール』は、『レスラー』『ブラック・スワン』などで知られるダーレン・アロノフスキー監督の5年ぶりとなる新作長編。劇作家サミュエル・D・ハンターが2012年に発表した同名舞台劇を基に、ブレンダンが272キロの肥満男を体当たりで演じる。

　自宅のソファからほとんど動かず、引きこもり生活を送り続けた結果、重度の肥満症となった40代の男チャーリー。心不全を患い、自身の死期が近いことを悟ったことで、過食の原因となったトラウマと向き合うことを決意。自らが壊してしまった家族、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする彼の最期の5日間が描かれる。

　ハリウッドの表舞台から遠ざかっていたブレンダンは、今年のベネチア国際映画祭で6分間の熱烈なスタンディングオベーションを受けると、第80回ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞にノミネート。本年度のアカデミー賞最有力候補との呼び声も高い。ブレンダンは「この役を演じるのが怖かった。自分の限界を越えて深く掘り下げ、わたしのすべてを見せたつもりだ。それがこの映画に焼き付いているよ。あまりにハードでパーソナルな経験だったから、撮影の前と後では違う自分になっていた。このチャンスに感謝している」とコメントした。

　共演には、Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のセイディー・シンク、『ザ・メニュー』のホン・チャウら話題の俳優が名を連ねている。アロノフスキー監督は、「この映画の登場人物たちは善人でも悪人でもない。僕らと同じようにグレーゾーンの中で生きていて複雑だ。それでも皆お互いに対してのエンパシー（思いやり）を抱いている。以前よりも人々が互いに背を向けているような今だからこそ、重要な問いかけだと思う」と語っている。（編集部・倉本拓弥）