「舞いあがれ!」福原遥&赤楚衛二の成長を実感…“祥子”高畑淳子の言葉にしみじみ
現在放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ!」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか)が第12週に突入。ヒロインの舞が航空学校での課程を修了し、再び五島列島での生活などが描かれている。制作統括を務める熊野律時チーフプロデューサーが、舞(福原遥)や幼なじみの貴司(赤楚衛二)の変化など、見どころについて語った。
連続テレビ小説の第107作となる「舞いあがれ」は、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を深めるヒロインが、空への夢に向かっていく挫折と再生を描く物語。第12週では脚本を桑原亮子が担当し、航空学校での訓練を終えて東大阪に戻ってきた舞の姿が描かれている。
就職活動を経て、博多エアラインへの就職が内定した舞だが、リーマンショックの影響で入社が1年延期になってしまう。そんななか、祥子のいる五島列島へ向かった舞は、都会に馴染めずに環境を変えようと五島列島にやってきた少年・朝陽(又野暁仁)と出会う。
熊野は第12週について「航空学校編が一区切りつき、この週は、航空業界や製造業に大きな影響を与えたリーマンショックが背景として出てきます。そして、ドラマに登場してくる人たちにも大きな影響を与えます」と紹介。物語もちょうど折り返し地点にあたる。「そんな環境の中、舞が一旦立ち止まらなくなってしまった時にどうしていくのか? 身近な周りの人に目を向けて、もう一度ゆっくり舞が自分の中にあるものを考え直していく過程を、このタイミングで描くことは重要だと思いました」と話す。
桑原の脚本についても「航空学校編という非日常的な世界から、特別なことが特に何も起こらない、穏やかな日常に戻る。細やかな人と人との言葉のやりとりや交流を描くことは桑原さんが得意とするところです」と期待を寄せていたという。「舞は、さまざまな立場にある人の気持ちをすくいあげようとする女性。舞のキャラクターの根っこにある部分を改めて丁寧に描いています」と笑顔を見せる。
久々に五島列島に舞台が移ることについては、祥子を演じる高畑の存在も重要だという。「舞が自分の力で頑張ってきた航空学校編の期間を経て、ばんば(祥子/高畑淳子)と会った時に、舞にはそれまで積み上げてきた変化があって、それが急に今、立ち止まらないといけなくなっている事に対しての焦りやなんとも言えない気持ちがあります。舞の成長を受け止めた上でばんばが言葉をかける。今までとは違う味わいになっていて、しみじみとした感じになっていると思います」と話す。
舞の幼なじみである、赤楚ふんする貴司も変化を見せる。「折れてしまいそうだった貴司くんも、舞が航空学校で頑張っている一方で、あちこち旅をしたり、働いたりして、自分の言葉を探していき、何かを見つけて、自分の中に新しいものが芽生えて変わっていく。赤楚さんがそれを的確な演技で表現しています。自分の足で歩いて、自分で感じたものを言葉にしていくというのが彼の自信になっているんです。そういう新しい貴司の感じを素敵に演じているな、と。たくましさも持った新しい貴司が見られると思います」と語った。(文:名鹿祥史)