どうする家康“ムロ秀吉”は超ポジティブ思考!家康が苦手とする理由は?
大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合で夜8時~ほか)の29日放送・第4回「清須でどうする!」から、ムロツヨシ演じる木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が登場する。制作統括の磯智明チーフプロデューサーは、「松本潤さん演じる徳川家康とは真逆で、秀吉はポジティブ思考の人物」だという。
江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の生涯を、「コンフィデンスマンJP」などの人気脚本家・古沢良太が描く本作。1月8日の初回以来、「戦国乱世に終止符を打った男」という偉人のイメージからは想像できない、若かりし日の頼りない家康像が話題を呼んでいる。若き松平元康(のちの徳川家康/松本潤)は、「桶狭間の戦い」で主君・今川義元(野村萬斎)を失ったことで今川への忠義を尽くすのか、織田に寝返るのかの選択を迫られ、第4回では信長と12年ぶりに再会。信長の妹・市(北川景子)、そしてくせ者の木下藤吉郎と出会う。
ムロにとって大河ドラマの出演は3度目。2017年の「おんな城主 直虎」以来、6年ぶりとなる。本作で秀吉は家康にとって一番苦手なタイプの人物として描かれるというが、磯CPは秀吉と家康の関係を以下のように語る。
「今風に言うと、家康は勉強が好きで内向的でケンカが好きでない人物、対する信長はケンカに強くて怖いけど憧れる先輩、義元は尊敬する恩師。秀吉はちょっと品が悪くてやたらと絡んでくる接しにくい悪友みたいなイメージでしょうか。脚本の古沢さんが秀吉について語っている中で一番印象的だったのが『乱世を一番楽しんだ男』という言葉でした。乱世がなければ秀吉は生まれなかったということですね。家康はどちらかというと乱れた世の中が苦手だからこそ、どのように変えるのかと考えるんですけど、秀吉は真逆。“こういう世の中に生まれたんだから俺にもチャンスがある、もっと人生を楽しんでいきたい”とポジティブに世の中を見ていくところがある。そういった彼のたくましさや明るさに加えて、秀吉は苦労しているだけあって、常人と違った目線で世の中を見られるので、そこもまた家康が苦手なところでもあるのかなと。そんな秀吉像を、ムロさんは巧みに表現されていると思いますね」
秀吉といえば農民の出ながらのちに大出世を遂げ、織田信長の後を継いで天下統一を成し遂げたことで知られる。成り上がった「人たらし」というイメージもある。
「秀吉は信長の家臣団においては柴田勝家、明智光秀らに比べて亜流と言えるかもしれません。信長は優秀な人物を重用していくエリート主義みたいなところがあるので、そんな中でたたき上げの秀吉というのはちょっと異質なんだろうなと。人たらしの部分が出てくるのはもう少し先、秀吉が権力を握ってからになるのかなと思います。のちに秀吉はいろんな人たちを取りこんでいき、家康もその一人になるわけですけど、そこも秀吉の一つの魅力だと思います。今は秀吉が信長の家臣団の中でいかに自己アピールをして、いかに生き残っていくのかというエネルギッシュな部分を面白く見ていただけたら」
家康役の松本とはプライベートでも親交が深いムロだが、ドラマ公式サイトのインタビューで「家康が秀吉のことをいやだな、苦手だなと印象を持つ所から始まっていますので、それをやるために撮影が入ってからはしばらくは会わないようにしていましたね」と語っている。実際、撮影現場ではどんな雰囲気なのか?
「ムロさんと松本さんは仲がいいのですが、そこは芝居には入れないよう、お互いフラットに芝居に臨みたい思いがあるのではないでしょうか。今のところ、ガツガツする秀吉を家康がちょっと苦手だなあというようなシーンが多くて、ぶつかるようなシーンはまだないのでピリッとした場面は見受けられないですが、お二人とも真摯に芝居と向き合っている印象が強いですね」(取材・文:編集部 石井百合子)