トム・ハンクスの息子が父と同じ役で俳優デビュー
トム・ハンクスの三男であるトルーマン・ハンクスが、父親であるトムが主演する映画『オットーという男』(3月10日公開)で俳優デビューを果たす。
世界的ベストセラー小説「幸せなひとりぼっち」を、マーク・フォースター監督が映像化した本作は、町一番の嫌われ者のオットーが、自分とは正反対な家族との出会いを通して、もう一度生きる希望を見つけていく物語。プロデューサーにはトムのほか、トムの妻リタ・ウィルソンも名を連ねる。
トルーマンが演じるのは、トム演じる主人公・オットーの若き日の姿。オットーと最愛の妻・ ソーニャの若き日の回想シーンに登場する。本作のプロデューサーであり、トムの妻であるリタは、「マークが言っていたんです。自分が映画を観ていて興ざめするのは、キャラクターが若かった頃の回想シーンで、若い俳優の見た目や立ち居振る舞いが年配の俳優に似ていないときだって。彼からトムの息子で俳優のコリンとチェットのことを聞かれましたが、二人にはこの役は若すぎました。その年頃のトムに一番よく似ているのが もう一人の息子トルーマンなんですが、彼は役者ではありません。でも彼に会わせてほしいとマークに言われたんです」と当時を振り返った。
当初フォースター監督は、若き日のオットーを誰に演じてもらうかという問題に頭を悩ませていた。しかし、トルーマンに会った際、「1980年代後半の頃のトムが目の前に座っている気がしました。『自分は役者ではない』とはっきりと言ってくれたのもその魅力の一つでした。一緒に本読みを少ししてみたら、すごく自然で素晴らしかったんです。しっくりときて自然な感じがしたんです」と起用した経緯を明かした。
映画業界で撮影にまつわる仕事をしていたトルーマン。俳優デビューとなった今回の大抜てきについて「滅多にないチャンスでした。まだ決めかねているときに、友人が『今後自分のカメラワークや判断に役立つことがあるはずだ。カメラの前に立つ人の気持ちがわかるだろう。映画は協同作業で作りあげるものだから』ってね」と友人に背中を押してもらったと語った。さらに、「父は、いろいろな立ち方、歩き方について教えてくれました。たとえば、父がオットーを演じるときに取り入れた、指をさす仕草など、いくつかの癖についても教えてくれました。一貫性を持たせられるように」と名優である父トム・ハンクスからもアドバイスをもらったという。
トムには、前妻の故サマンサ・ルイスとの間にコリンとエリザベス、現在の妻リタとの間にチェットとトルーマンの4人の子どもがいる。コリンは俳優、エリザベスは女優・作家、チェットは俳優・ミュージシャンとして活動中。(今井優)