舞台「パラサイト」金持ち一家のキャスト発表!キムラ緑子が家政婦、真木よう子が奥様役
第92回米アカデミー賞で作品賞に輝いたポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』を日本で舞台化する「COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』」の第2弾キャストが発表された。貧しい金田家が“寄生”する裕福な永井家の面々に山内圭哉、恒松祐里、真木よう子、家政婦にキムラ緑子がふんするほか、みのすけが舞台オリジナルキャラクターとして出演する。
舞台版「パラサイト」キャスト発表!寄生する一家に古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ
舞台版「パラサイト』の舞台となるのは1990年代の関西。堤防の下にあるトタン屋根の集落、川の水位より低く一日中陽がささない土地で、金田家の人々は家内手工業の靴作りで生計を立てて暮らしていた。ある日、長男が妹が偽造した大学の在籍証明を利用し、高台にある豪邸・永井家で家庭教師としてアルバイトを始めたことを機に、一家そろって永井家に寄生していく。金田家の主・文平に古田新太、その妻・福子に江口のりこ、息子の純平に宮沢氷魚、妹の美姫に伊藤沙莉が決定している。台本・演出は、崔洋一監督の映画『血と骨』の脚本や、『焼肉ドラゴン』の監督・脚本を務めた劇作家、脚本家の鄭義信。
金田家が寄生する永井家の主人で、実業家として成功しつつも中身はまるで“土建屋の親父”の慎太郎役に山内圭哉。美しく品もあるが天然な側面もある奥様・千代子役に真木よう子、その娘・繭役に恒松祐里。物語のキーパーソンとなる家政婦の安田玉子役にキムラ緑子が決定した。また、舞台版オリジナルの登場人物としてナイロン100°Cの作品や、鄭の作品に多数出演したみのすけの出演も決定した。
キムラ緑子、みのすけ、山内圭哉、恒松祐里、真木よう子のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
COCOON PRODUCTION 2023「パラサイト」東京公演は6月5日~7月2日まで THEATER MILANO-Za にて、大阪公演は7月7日~17日まで大阪・新歌舞伎座にて上演
キムラ緑子(安田玉子役)
「あの衝撃作を舞台化するなんて、ウソでしょう!?」という驚きと共に、「どう立ち上げていくのか知りたい」という好奇心がムクムクと込み上げ、私自身が心から「観たい!」と思う舞台に参加させていただきます。富める者と貧しい者が二極化し、お金があるところにさまざまな人間が呼び寄せられ、パラサイトしていく--今の日本にも響くテーマを内包した作品をライブ空間で見せるために、どうしたらいいか想像つきません。道のりの遠さを思うと「観る側に回ればよかったなあ」と弱気になります(笑)。やると決めたからには、思いきりぶつかっていこうと思っております!
みのすけ
同世代である古田新太さんとの共演は、僕が所属する劇団「ナイロン 100°C」にゲスト出演してもらった『下北ビートニクス』(1996)以来、なんと 27 年ぶり!そして映像で共演してきた方も多い座組みで、この豪華メンバーに加えていただき、まずは嬉しい気持ちでいっぱいです。そして初期作品から拝見し、これまで何作もご一緒している大好きな鄭さんの舞台に出られることにも、大きな喜びがあります。今回演じる役は、精神的にも体力的にもギリギリですが(笑)、鄭さんが「みのすけならできる」と思ってくださったからには、その期待に大いに応え、面白い作品になるよう頑張ります。どうぞご期待ください。
山内圭哉(永井慎太郎役)
実は初めて『パラサイト』を観た時、「これを戯曲化したら面白いだろうな」と思いながら観たんです。でもまさか日本で上演するなんて、そして自分が参加できる日が来るなんて、想像だにしていませんでした。信頼する方ばかりが並ぶ座組みで、しかも、長年仲良くさせてもらっている古田さんとは、30 年ぶりの共演。お互いなかなかに老いてから再びご一緒できることに、月日の流れを感じます(笑)。常に弱者からの視点を描いてきた鄭さんの手によって、必ずや、普遍的な物語であることを確認していただけるでしょう。「映画の方が絶対面白いちゃうん?」と思う方にこそ、観ていただければと思います。
恒松祐里(永井繭役)
すごい原作映画の舞台化、そして大先輩が並ぶビッグな作品で、嬉しくワクワクする気持ちと緊張する気持ち、両方がこみ上げています。人間の根っこにある感情を情熱的に描き、見るものの心を揺さぶり、燃え上がらせる、鄭 義信さんの作品に初めて参加させていただくことにも、とにかくドキドキしています。私が演じる裕福な家庭の女の子は、物質的な豊かさはあっても、世間を知らない普通の女子高生。若さゆえに胸に秘めた「誰かに認めてほしい」と思う気持ち、彼女のピュアな部分を大切に、まずは戯曲として心新たに、真剣に向き合っていきたいと思っております。
真木よう子(永井千代子役)
まずは映画『パラサイト』を日本で舞台化する企画自体にびっくりし、自分が参加させていただけることにダブルでびっくりしています。素晴らしい原作を前にプレッシャーはありますが、古田さんを筆頭に“愉快な仲間たち”が揃い、今から稽古場が楽しみで仕方ありません。鄭さんとは映画『焼肉ドラゴン』以来。撮影現場では優しい監督でしたが、風のウワサで聞くと舞台の稽古場では厳しく、 “鬼の演出家”だとか(笑)。こうして舞台でもご一緒できることに喜びを感じています。原作の良さを生かしながら“日本版”に置き換えられた、オリジナリティあふれる舞台。素晴らしい作品となるよう、私も尽力したいと思っております。