King Gnu井口理、自意識過剰な主人公に共感 主演映画の試写会で「今も耐えられない」
ロックバンド King Gnu の井口理が20日、都内で行われた主演映画『ひとりぼっちじゃない』(3月10日公開)の特別試写会イベントに登壇し、自意識過剰で人前に立つことが「耐えられない」と意外な心情を明かした。この日は共演者の馬場ふみか、河合優実、伊藤ちひろ監督も来場した。
【写真】井口理、馬場ふみか、河合優実が共演を振り返る!イベントの様子
本作は、伊藤監督が自身の同名小説を映画化した人間ドラマ。映像化するにあたり、伊藤監督は主人公を井口にアテ書きして脚本を執筆した。不器用でコミュニケーションがうまくとれない歯科医師・ススメ(井口)が、マッサージ店で働く謎多き女性・宮子(馬場)に恋をすることで、歪み狂っていく日々を描く。
本作で映画初主演を務めた井口。過去にある忘年会で伊藤監督と一緒になったという井口は「直接は話さなかったんですけど、僕の忘年会での居方というか、ススメは自意識にかられた人間で、そこに重なるような僕を見てオファーをしていただいたみたい」と振り返る。
当初は「喋ってもいないのに、どうして僕に」と疑問に思ったそうだが、「原作を読んでススメに触れて、そういうことか、僕が演じることに意味があるなと思いました」と納得。さらに、ススメが電車で隣の女性がふと笑ったときに自分のことを笑っていると思ってしまうなど、日常で自意識に駆られる姿には「共感できる」と語り、「(自分も)そんなことだらけです。今ここでも自意識が働いて耐えられないです」と壇上での素直な思いも吐露して会場の笑いを誘った。
一方の伊藤監督は「King Gnu としての格好いい姿を知っていましたが、静かで、積極的に自分を前に出せる感じでもない不思議な動きをする人だったので印象に残っています」と井口に惹かれた理由を説明した。
その上で撮影中、井口は「ちひろ監督が10年かけて(小説を)書いて、それを映像化すエネルギーの大きさに応えなければいけないという不安はありました。けど、(その不安を)解消するために頑張ろう」と気合を入れたことを打ち明ける。続けて、「素晴らしい人たちに囲まれて、そこに生かされて演じ通した結果が何とか実を結んだと思います」と充実した表情を見せた。
また、本作は「言葉で何かを表現している作品ではない」と説明する井口。撮影期間中は「言葉がある音楽ではない。なんとなくですけど、ずっとクラシックを聴いていました」と思い返す姿も。
そんな井口について、河合は「井口さんに腕をつかまれるシーンで、呪いの写真みたいな手な跡がついてびっくりしました。でもそういうところを尊敬しています。真っすぐな方」と敬意を示す。その場ですぐに謝った井口だが、「河合さんなら受け止めてくれるかなと思って本気でやりました。真っ赤だったよね。でも反省はしていないです。よかったですよね」と真剣に臨んだシーンに胸を張る。
最後に「観終わった後に、まったく訳がわからなかったと思う人もいると思います。でも、なにか答えを探し続けて2時間ちょっとの(上映)時間を過ごすと、もしかしたら自分の中で正解が残るかもしれないので、頑張ってついて来てください」と呼びかけた。(錦怜那)