二宮和也、アイドルと俳優の違い語る “後輩”中島健人からの質問に回答
二宮和也が20日、都内で行われた映画『ラーゲリより愛を込めて』の御礼舞台あいさつに登壇。監督を務めた瀬々敬久とともに共演陣から寄せられた質問に真剣に回答した。
辺見じゅんのノンフィクション「収容所から来た遺書」を原作にした本作。第2次世界大戦終結後、ソ連軍の捕虜として不当にシベリアの収容所に抑留された日本人・山本幡男の姿が描かれる。この日のイベントでは、本作のヒットを記念したくす玉も用意され、二宮と瀬々の壇上トークや客席とのティーチインも行われた。
昨年12月9日に劇場公開されると、観客動員は昨日までで184万人、興行収入は24.3億円を突破した。イベントの冒頭、二宮は「数字をこうやって聞くと改めてすごいことになっているんだなって思います」と感慨深げな表情。ロングランでの上映になっていることにも「大ヒット御礼舞台あいさつは終わっているし、これは何ヒットになるんだって。でも、公開からこれだけ時間が経って、こういう舞台に立つことはなかなかない。素直に嬉しいです」と話す。
また、二宮は「この作品に出ている人がすでに違う作品やバラエティーに出ているのを見ると、みんな次の場所に向かっているんだなって。みんなすごい人たちだったんだなって改めて思います」としみじみ。二宮は本作で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞に選ばれていることにも触れて「嬉しいですよ。そこに(本作に出演する松坂)桃李もいるんです。違う作品(『流浪の月』)ですけど。あれ以来会えていない人にも会えるのは嬉しいです。あの期間、一緒にいられたのはすごい時間だったんだなって思います」とも語った。
その後は共演者からの質問に、二宮と瀬々監督が答えるQ&A形式のトークも行われた。松坂からは「このメンバーで別の映画を作るならどんな映画がいいですか? ちなみに僕はゾンビものです」と質問が寄せられ、二宮は「そう言えば(松坂は)撮っている最中もそんなこと言っていたような気がしますね」と嬉しそうな表情を見せる。瀬々監督がすかさず「『スター・トレック』みたいなものもいいですね。安田さんが隊長で、二宮さんがスポックで」と答えると、二宮さはさらに嬉しそうな表情。少し考えたあと「せっかくこれだけの人がいるので、何か違うことをやりたいですね。瀬々さんも出て、(金八ならぬ)『瀬々八先生』みたいなものも人情的でいいかもしれないですね」と話して会場を笑わせた。
後輩でもある中島健人からは「アイドルと俳優の違いを教えてください」との質問が。二宮は「違いはそんなにないんじゃないかな。演じているというものに対してフィルターが違うというか、届け方が違うだけ。やっていることは同じ」とこれに対して真摯な回答。「僕はちなみにグループ組んで活動をしていた時期は映画に呼ばれても俳優然とせず、自分がそこに呼ばれた意味を考えて動いていました。彼もそういう風にできているんじゃないですか」と思いを明かした。
さらに、安田顕からは「二人にとって映画とは?」との質問を受け、二宮は「僕にとってはありがたい存在」と即答。「自分の若い頃の自分がこんなに動いている映像がたくさん残っているんです。映画を見ると、この日の次の日はコンサートに行っていたなとか、思い出すこともできる。ずっと若い頃からの顔が時代ごとに残っているのは出ている人の特権だと思います」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)