「舞いあがれ!」山口紗弥加“御園”が新たな仲間に!撮影現場でも姉妹のような関係
現在放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ!」も残すところ1か月ほどとなった。第22週では、ヒロインの舞(福原遥)が新事業に取り組んでいく姿が描かれたが、御園(山口紗弥加)など彼女を取り巻く魅力的な登場人物について、制作統括を務める熊野律時チーフ・プロデューサーが語った。
連続テレビ小説の第107作となる「舞いあがれ!」は、ものづくりの町・東大阪や五島列島でさまざまな人との絆を深めた舞が、空への夢に向かっていく姿を描く物語。前週で、東大阪の住民たちに工場のことをもっとよく知ってもらおうと、オープンファクトリーを立ち上げ成功させた。続く第22週では金網を製造する小堺(三谷昌登)を手伝うなか、新しい事業を立ち上げることを決意する。
そんな舞を後押しするのが、新聞記者として工場を取材してきた御園だ。舞のリーダーとしての資質を信じて新聞社を退社した御園は、IWAKURAの子会社で新事業に挑む舞に協力することを決意する。熊野は山口ふんする御園について「新聞社を辞めて、舞と一緒に会社を立ち上げるのですが、終盤まで仕事上のパートナーとして舞と一緒に走っていくことになる」と今後もドラマの展開にとって重要な役割を果たす人物になると明かす。
「彼女は新聞社での勤務を通していろいろな場所を取材してきたという経験値があり、また、舞の人生の先輩として、舞の心の支えになっていく存在でもあるんです。明るく、さっぱりした性格で、舞と全く初めての仕事をしていくなかで、一緒に悩んだりしつつも『やってみようよ』と舞の背中を押していきます」
演じる山口についても「ドラマと同じように、福原さんにとっての人生の先輩であり、現場でも福原さんを明るく支えている存在。ドラマの中の二人と近い感じで、年の離れたお姉さんと妹という感じがあります。その関係性もあって、ドラマの中でも御園を魅力的に演じていただけていると思います」と期待を寄せる。
ほかにも、歌人の梅津貴司(赤楚衛二)が営む古書店「デラシネ」の常連客である、第17週目から登場する“大ちゃん”こと広田大樹(中須翔真)と“ひなちゃん”こと根岸陽菜(徳網まゆ)も、舞を取り巻く人物として気になる存在だ。大ちゃんは好きなことに没頭すると周りのことにはお構いなしな性格。そんな大ちゃんの扱いに長けたひなちゃんは少しおませな女の子で、舞と貴司の関係にも興味津々。新たな展開の連続で進むドラマの中にあって、彼らと舞や貴司とのやりとりは視聴者にとって大きな癒やしの存在となっている。
熊野は「中学生になった二人は思春期に差し掛かっていて、自分の気持ちを素直に伝えることに臆病になったり、周りの人から自分がどう見えているのかが気になったりする変化がおきています」と紹介。そんな二人のキャラクターには脚本の桑原亮子の「自分の思いを言葉にする大切さ」というコンセプトがささやかに反映されているともいう。
「言葉にするとうまくいくこともあれば傷つけてしまうこともあるというようなことが、二人のエピソードの中に少しずつ滲んでくるんです。他人から見たら大したことではないかもしれないけど、本人にとっては切実なこともある。そういう心のモヤモヤのようなものを言葉にしてみることが大切なのでは?というテーマがさりげなく盛り込まれているのかなと思います。」
舞について「後方確認をする人」とも表現していた桑原。周囲の人たちに目を配りながら、一歩一歩進んできた舞の物語も終盤に近づいてきた。そんな舞が新たに立ち上げた事業で、人々の思いをどのように形にしていくのか。最後まで目が離せない。(取材・文:名鹿祥史)