長すぎ…!『ジョン・ウィック4』当初の上映時間は4時間弱だった
キアヌ・リーヴス主演の人気アクションシリーズ第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は2時間49分というシリーズ最長の上映時間を誇るが、それは初期編集版から1時間近くカットした結果なのだという。チャド・スタエルスキ監督と編集のネイサン・オルロフがIndieWireに明かした。
【画像】かっこいい!『ジョン・ウィック4』真田広之のキャラポスター
スタエルスキ監督によると、本作の上映時間について「長くすべき」「短くすべき」といった要請はなく、ストーリーとペースを慎重に見極めていった結果、2時間49分になったのだという。めくるめくアクションが満載の同作はその長さを感じさせないと絶賛され、アメリカの大手映画批評サイト「ロッテントマト」では批評家からの支持率94%(3月23日時点)とシリーズ最高評価を得ているが、スタエルスキ監督は「初期編集版は3時間45分だった。そして、実際に鑑賞した際の体感時間も3時間45分だった。大変なことになった、と思ったよ」とそこに至るまでの道のりは険しいものだったと振り返る。
ここまで上映時間が長くなったのは、主人公である伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ)の物語を描くことに加え、コンチネンタルホテル大阪の支配人シマヅ(真田広之)、シマヅの娘アキラ(リナ・サワヤマ)、ウィックを追うトラッカー(シャミア・アンダーソン)、盲目の殺し屋ケイン(ドニー・イェン)をはじめとした新キャラクターたちを紹介し、それぞれの晴れ舞台も入れ込みたかったからだ。
3時間45分から2時間49分に短縮した方法について、編集のオルロフは「ただ圧縮して、圧縮して、圧縮した」と語る。「すでに説明されたアイデアが出てきたら、カットした。繰り返しはなしだ。この映画はとても直線的なストーリーだから、(編集による)再構築や再配置もあまりできないし。ただ、必要のないものをふるい落としただけなんだ」と説明した。
スタエルスキ監督はさらに「僕の編集スタッフは、多分僕のことを嫌っているだろうな。だって、例えばあるシークエンスから30秒カットしただけで、僕は全員に映画を最初から最後までもう一度観させたから」と打ち明ける。「それこそ、映画のペースが正しいかを知るための唯一の方法なんだ。ペースに問題がある映画が出来上がるのは、編集を断片的にやって、全体を観ないから。映画をただのパーツの集まりとして扱うのは、避けるべきことなんだ」と編集の極意を明かしていた。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は9月日本公開。(編集部・市川遥)