音楽家・坂本龍一さん死去 『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』など映画音楽を多数担当
『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』など数々の映画音楽を手がけた音楽家・アーティストの坂本龍一さんが、3月28日に亡くなった。71歳だった。レコード会社のエイベックス・エンタテインメントが2日、公式サイトで発表した。
【画像】坂本龍一さんも出演した映画『戦場のメリークリスマス』
2020年6月に直腸がんと診断され、ステージ4と公表していた坂本さん。エイベックスは「2020年6月に見つかった癌の治療を受けながらも、体調の良い日は自宅内のスタジオで創作活動をつづけ、最期まで音楽と共にある日々でした」とコメント。葬儀は、坂本さんの強い遺志により近親者のみで執り行われたといい、「弔問、ご香典、ご供花につきましても謹んで辞退申し上げます」としている。
坂本さんは1952年、東京都生まれ。1978年に細野晴臣さん、高橋幸宏さんとYMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)を結成し、近未来的なテクノポップで世界を魅了した。1983年には、大島渚監督が手がけた映画『戦場のメリークリスマス』で出演・音楽に挑戦し、英国アカデミー賞作曲賞を受賞。ベルナルド・ベルトルッチ監督作『ラストエンペラー』(1987)では、日本人初となる米アカデミー賞作曲賞に輝いた。
中咽頭がんの治療で、2014年7月から活動を休止していた期間もあったが、2015年に山田洋次監督作『母と暮せば』と、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽制作で復帰。近年も『MINAMATA-ミナマタ-』(2020)の音楽や、『アフター・ヤン』(2021)のオリジナルテーマを担当していた。6月2日には、音楽を担当した是枝裕和監督の最新作『怪物』の公開も控えている。(編集部・倉本拓弥)