石原さとみが産後初の映画撮影 娘の失踪事件に翻弄される母親描く『ミッシング』24年公開
昨年4月に第1子出産を発表した石原さとみが、1年9か月ぶりに映画撮影に臨んだ『ミッシング』が2024年に公開されることが明らかになった。石原が演じるのは、娘の失踪事件をきっかけに情報の荒波に巻き込まれ翻弄されていく母親。『空白』『神は見返りを求める』などの吉田恵輔監督と組む本作に、「我が子という自分の命よりも大切な存在を知った今、この役柄は本当に辛く苦しく精神が削られます。ですが、今の私だからこそ、できる役です。大きな覚悟を持って最後まで沙織里を生きていきます」とコメントを寄せている(吉田恵輔の「吉」は「つちよし」が正式表記)。
本作は、娘の失踪事件をきっかけに崩壊する日常や辛く悲しい現実に直面する母親とその家族たち、視聴率を獲るために偏向報道に舵を切るマスメディア、野次馬的興味の心無い言葉が満ちあふれる現代社会の闇を描く物語。企画は、日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品『新聞記者』(2019)や、『MOTHER マザー』(2020)などを手掛けた故・河村光庸プロデューサーが率いたスターサンズ。監督の吉田自ら、オリジナル脚本を手掛けた。
石原演じる沙織里は娘が行方不明になった時、好きなアイドルのライブに足を運んでいたことと、茶髪メッシュの風貌ゆえにネット上で「ライブ狂いで育児放棄の母」と誹謗中傷される。日が経つにつれ、徐々に冷静になっていく夫と喧嘩が絶えなくなり、当初は事件を大きく取り上げていたマスコミの関心も薄れ世間も興味をなくしていく。
石原にとって吉田監督とのタッグは念願だったといい、石原は「6年前、吉田監督に、どんな役でもいいから一緒に仕事がしたい、と直談判しに行きました。そこから数年後、この作品の連絡を頂き、嬉しさのあまり叫びました。妊娠出産を経て、ついに憧れの吉田組で1年9か月ぶりのお芝居を今しています」と経緯を説明。
吉田監督は「本作は自分のキャリアの中で最も覚悟のいる作品になります。執筆中から何度も手を止めてしまうほど、辛く苦しい現実を描きました。主演の石原さんを筆頭にキャスト達はメンタルが削られる芝居の連続だと思います。しかし、どんな状況でも前に進む強さ、他者への想像力や共感。人間の愚かしくも美しい瞬間を撮影できたら幸いです。どうか我々の覚悟が皆様に届きますように」とコメントしている。
撮影は3月23日より開始し、現在も撮影中。(編集部・石井百合子)