『トランスフォーマー/ビースト覚醒』で描く新たなオプティマス プロデューサーが語る新シリーズの幕開け
映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(8月4日全国公開)のプロデューサーを務めたロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが、新シリーズの幕開けを飾る本作と過去シリーズの関係に言及しながら、新作におけるオプティマスプライムの変化について語った。
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『ビースト覚醒』は、あらゆる物体に変形する金属生命体の戦いを描いた大ヒットSFアクション第7弾にして、新たなシリーズの幕開けを飾る最新作。地球に襲来する惑星サイズの強大な敵ユニクロンの脅威に、オプティマスプライム率いるオートボットや動物から変形する新たな種族マクシマルズが立ち向かう。
新監督に『クリード 炎の宿敵』のスティーヴン・ケイプル・Jrを迎え、1987年を描いたスピンオフ『バンブルビー』(2018)の少し後、1994年の出来事を描く本作。ボナヴェンチュラは「マイケル・ベイが監督したシリーズよりも前の時代を描くことになるので、この映画とその先に起きる出来事の整合性が取れているかという部分は気を使いました。ファンの皆さんが、自然と(マイケル・ベイ版に)つながっていく雰囲気を感じ取れるように作ろうと気をつけましたね」と明かす。
いわゆる前日譚になったことで、オートボットの司令官・オプティマスプライムにも興味深い変化が起きたという。「オプティマスプライムは、一作目の時点である程度完成されたキャラクターでしたが、今回は皆さんのよく知るオプティマスへと変化する過程を描くというのでしょうか。この時点の彼は、正直なところまだ人類を信用していない部分があり、人間との距離感をはかりかねている。観客の皆さんも『見た目はオプティマスだけど少し違う』というような感覚を覚えるかもしれません。そして観終わる頃には、間違いなく彼はみんなの愛するオプティマスだと思える。そこが、この映画の興味深い点のひとつになるでしょう」
そして、さらなる本作の目玉が、アニメ「ビーストウォーズ」シリーズの参戦。多くのファンが待ち望んだビースト戦士たち(マクシマルズ)の登場について、ボナヴェンチュラは「『ビーストウォーズ』の実写化や、彼らをシリーズに組み込むアイデアは長年話し合ってきました。ただ、乗り物から変形するオートボットと違い、マクシマルズを唐突じゃない形で登場させ、オートボットと共演させるには、彼らに合った環境を用意しなければならなかったのです」と実現までの苦労を告白する。
そこで考えられたのが、ペルーに位置する古代インカ帝国の遺跡マチュピチュでの撮影だった。「ペルーのジャングルならマクシマルズも登場できる。また、私にとって憧れの場所でもあり、行ってみたいという思いで決めてしまったのですが、理想的なロケーションでした。古代文明と『トランスフォーマー』の関わりはファンの皆さんにとってもおなじみですし、世界を股にかけた冒険もシリーズの醍醐味のひとつですから」
ちなみに、ビースト戦士が全員登場するかについては明言を避けたボナヴェンチュラ。「『ビーストウォーズ』に限らず、どうしてこいつが出るのにあいつは出ないんだ……という声は毎回ありますが、全てを入れ込むことは不可能です。基本的には、今わかっている以上のキャラクターは出ないと思ってください。他のキャラクターが好きなのにという方がいれば、続編で彼らをフィーチャーするかもしれないのでご期待くださいといったところですね」と続編の可能性に言及。
マイケル・ベイが監督したストーリーのその先も気になるところだが、ボナヴェンチュラはひとまず新シリーズに注力するつもりのようで「私たちも、次にどんな作品を作ろうと気軽に話し合ったりはしますが、実際に『トランスフォーマー』を一本作ろうとすると、非常に時間と労力を必要とする。そのため、いま具体的に進行しているものはありません。現時点では全くの白紙と言っていいでしょう」と語るにとどめた。(編集部・入倉功一)