草なぎ剛主演!「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」ドラマ化で手話通訳士役
草なぎ剛が主演を務め、小説「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」がドラマ化されることが決定した。今冬、前・後編にてNHK総合・BS4Kで放送となる。
原作は、“読書の甲子園”と言われる全国高校ビブリオバトルでグランドチャンプ本になった。読者の熱い要望によりシリーズ化され、10年以上にも渡って根強い支持を得る作品群の中からドラマ化されるのは、人気に火をつけた1作目。仕事や家族を失い人生に迷う男性・荒井尚人が、自分の唯一の技能である手話を活かして手話通訳士になり、新たな人生のスタートを切る物語が、殺人事件をめぐるミステリーとともに繰り広げられる。
草なぎは、主人公・荒井尚人を演じる。ろう者の両親の間に生まれた耳が聴こえる子ども、コーダ(Children of Deaf Adults の略)であり、自身の生き方や他者との関わり方について悩む。現在と過去の事件を追うなかで、自身が果たして何者なのか、周囲の人から問われ自分自身にも問いかけることになる人物だ。ドラマでは、草なぎが手話を使って演じるシーンもあるという。
また、ドラマ化に際してオーディションが行われ、20名近いろう者・難聴者のほぼすべての役柄を、実際にろう・難聴の俳優が演じる。
草なぎは、「今回、ろう者の方たちとご一緒させていただき、毎日、楽しい現場を共有しています。手話の演技も初めてなので緊張しますが、ご覧になる皆さんが楽しめる作品になるよう、頑張ります!」と語っている。
演出は「岸辺露伴」シリーズなどを手掛ける渡辺一貴。制作統括の伊藤学プロデューサーを中心に、3年前からじっくり取材を重ね、構想を温めてきた作品となる。
原作の丸山は、「この度、最高のスタッフ&キャストにより『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』が映像化されることが決まり、大変嬉(うれ)しく思っています。脚本を拝読し、素晴らしい作品になることを確信しています。主演の草なぎ剛さんはもちろんのこと、信頼するろう者及びコーダの方に手話監修・指導をお願いすることができ、さらに『ろう者役はろう者俳優で』という当事者たちの長年の夢を実現できたこと、関係者の皆さんに心より感謝いたします」とコメントを寄せている。(編集部・梅山富美子)
演出・渡辺一貴コメント
昨年春、ろう者劇団の所属メンバー、映画や演劇への参加経験者から、演技経験はないがお芝居に興味のある方まで、老若男女多くのろう者の方にお集まりいただき、このドラマのためのオーディションを行いました。驚きました。その表情の豊かさ、あたたかさ。表現の多彩さ、細やかさ。手話の「手」だけではなく、顔や全身を使った感情表現に圧倒されました。何よりも皆さんが「演じる」ことを心の底から楽しんでいる。こんなに楽しく、そして刺激的なオーディションは初めてでした。この思いをぜひ皆さんにもお届けしたい。いえ、お届けしなければいけない、と思っています。
制作統括・伊藤学プロデューサー コメント
生き方や境遇が違うわたしたちは、一体どれだけわかりあえるだろう。聴者同士でもコミュニケーションが難しい世の中で、聴者とろう者の隔たりはどれほどだろう。その狭間で生まれ、もがく男の目線を通して、たくさんの気づきをお届けしたい。そんな思いを持って、草なぎ剛さんをはじめ、多くの素晴らしいろう者俳優の皆さん、心強いスタッフと共に、日々楽しく撮影を行なっています。 このドラマを観てくださった方たちの世界を見る目が、より豊かになればと願っています。