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高橋一生の動きには全て意味がある 渡辺一貴監督「岸辺露伴」の4年にわたるタッグを振り返る

メイキングより。露伴邸にて高橋一生と渡辺一貴監督
メイキングより。露伴邸にて高橋一生と渡辺一貴監督 - (C) 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 (C) LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの荒木飛呂彦初となるフルカラーの読切で描かれた、「岸辺露伴は動かない」の人気エピソードを高橋一生主演で実写映画化した『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(公開中)。ドラマシリーズに続いてメガホンをとった渡辺一貴監督が、これまでさまざまな作品でタッグを組んできた高橋の魅力を語った(※一部ネタバレあり)。

【画像】高橋一生の芝居が凄い!メイキングより

 原作は、国内外の漫画家が参加するルーヴル美術館のバンド・デシネプロジェクトの描き下ろし作品として2009年に発表された同名漫画。相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた露伴(高橋一生)が、担当編集・泉京香(飯豊まりえ)と共に「この世で最も黒く、邪悪な絵」の謎を追ってパリ・ルーヴル美術館に赴く。渡辺監督と高橋はこれまで、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)、2020年から2022年の年末に3期にわたって放送されたドラマシリーズ「岸辺露伴は動かない」、NHKの単発ドラマ「雪国 -SNOW COUNTRY-」(2022)などで組んでいる。

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 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の映画化について、渡辺監督が最も興味をひかれたのは「露伴の過去が描かれる」ことだった。「露伴のパーソナルな歴史に踏み込んでいくのはとても魅力的。これまでほとんど描かれていない部分でもある。「人の記憶を読む能力を持つ人の記憶をたどる」物語に“どうなるんだろう”とワクワクさせられた。映画化の動機としては、そこが一番大きかったかもしれないです」

渡辺一貴監督

 高橋とはドラマ1期を撮影している時から雑談レベルで“いつか『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』をパリで撮影出来たら”と話していたというが、渡辺監督は念願かなった本作であらためて感じた高橋の魅力をこう語る。「露伴に関しては足かけ4年一緒にやっていますけど、一生さんが演じた露伴は、ベースは一緒でありながら、おそらく毎年ちょっとずつ違っている。それは多分一生さんの中にドラマ『岸辺露伴』の1期、2期、3期の間にやられたお仕事の経験が蓄積され、それを踏まえてアプローチを変えてきている部分もあると思います。そういった変化は今回の映画でも感じられます」

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 それは、目線や手など些細な動きからも感じ取れるという。「一生さんの動きは全てに意味があるんです。それは作品の流れにダイレクトに影響することではないので伝わらなかったとしても成立するんですけど、一生さんは全てご自身の中で腑に落として体に馴染ませてから表現される。僕と一生さんしかその行動の意味を分かっていない箇所もあるかもしれません。“なんで今露伴はちらっと左側を見たのか”“どうして今一瞬驚いた表情をしたのか”とか。そういった細かな表現の積み重ねで露伴像が豊かになっているのだと思います」

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』本編より

 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では、露伴がルーヴル美術館で「黒い絵」が引き起こす恐ろしい事件と対峙するシーンが見ものだと渡辺監督。「今回は特に、(黒い絵が所蔵される)Z-13倉庫で露伴が“あるモノ”に襲われていく過程での心の動きだったり、“何か”がじわじわと露伴に忍び寄っていくプロセスにも、全て一生さんの意味のある動きがあるので、“なぜ?”と引っ掛かりのあるところを気に留めて想像しながら見ていただくのも面白いと思います」と呼び掛けつつ、「一生さんとのお仕事は本当に楽しいです」と高橋とのタッグを心から満喫している様子だった。(編集部・石井百合子)

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