錦戸亮、役づくりでロン毛に Netflix「離婚しようよ」磯山P、起用の理由語る
松坂桃李と仲里依紗が夫婦役で共演するNetflixシリーズ「離婚しようよ」(6月22日より全世界独占配信)で、仲演じる国民的人気女優を魅了する“色気ダダ漏れの自称アーティスト”役で強烈なインパクトを放つ錦戸亮。放送中のNHKドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」と共に本作は約4年ぶりの連続ドラマ出演となる錦戸だが、これまで数々のドラマで組んできた磯山晶プロデューサーがキャスティングの理由を明かした(※一部ネタバレあり)。
本作は、結婚5年目を迎えたお坊ちゃん三世議員・東海林大志(松坂)と、その妻でCM契約数6社、SNSのフォロワー数100万人の人気を誇る女優・黒澤ゆい(仲)が、離婚という目標に向かって共闘するコメディー。磯山Pと「池袋ウエストゲートパーク」(2000)や「俺の家の話」(2021)など多くの作品で組んできた宮藤官九郎、そして「セカンドバージン」(2010)や「大恋愛~僕を忘れる君と」(2018)など数々のヒット恋愛ドラマを手掛けた大石静が共同で脚本を執筆した。
~以下、ネタバレを含みます~
錦戸演じる加納恭二は、パチプロとして生計を立てながらアーティスト活動を行っている設定。ゆいとの出会いは、街中でぶつかったことから。ゆいは自身を女優と知らずグイグイ距離を縮めてくる彼に戸惑いながらも魅了されていき、それがきっかけで大志との離婚を本気で考えるようになる。マイペースで気まぐれで、どこか謎めいた男。なおかつ、性的な悩みも抱えている。なぜ錦戸だったのか?
「宮藤さんと大石さんと、恭二のキャラクター設定を話し合う中で“パチプロ”“自称アーティスト”といったワードが出てきた際に、錦戸さんの名前を挙げました。一番大きな理由は、女性をひと目で魅了してしまうような魅力的な男性というところですね。キャスティングが決まってから脚本執筆だったので、宮藤さんも大石さんもアテ書きされていたと思います。錦戸さんとは宮藤さん脚本の『ごめんね青春!』(2014)以来ご一緒していなかったので、ぜひまたお仕事をしたいという思いもありました。俳優さんとしてのポテンシャルが高い方だと思っているので演技しないのはもったいないというか」
錦戸の出演は撮影の1年前に決まっていたそうで、錦戸は「色気ダダ漏れ」の設定の一環として髪を伸ばし続けたという。「まず形から入りました。ご本人は役じゃない限り伸ばさないと思うんですけど、錦戸さんのロン毛スタイルはあまり見たことないこともあって、伸ばしてほしいと」
また、恭二のキャラクターについて磯山Pは以下のように説明する。「知り合ったらすぐに恋に落ちてしまうような魅力満載なんだけど、いざ付き合ってみるとそうでもなかったっていう人(笑)。一緒に暮らせるかと考えると、ちょっとしんどい。“運命の相手”のように見えて、そうではないということじゃないですかね。なおかつ、大志の方は肉体的な不倫を推し進めるので、その対比として、恭二は肉体的な不倫はしない設定にしました」
ところで、恭二がゆいに自身の気持ちを表すものとしてオブジェを贈るが、これがかなり独特なデザインだ。一体どのようなコンセプトだったのか。「全部で三つあるんですけど、もらったらちょっと迷惑なんだけど、自分のことをイメージして作ったと言われたらうれしいみたいな微妙なライン(笑)。しかもこの人アーティストとしてそんなに売れなさそうだな、と感じさせる方向を探りました。特に、最初のオブジェは、何にも見えない形にしなければいけないのでそのぶん抽象的なデザインになっていると思います」
女性が抗えないフェロモンを放ちながらも、どこかクスリとさせる絶妙なキャラクターをごくナチュラルに演じてみせた錦戸。「いい役と巡り合ったらすごく輝く人だとずっと思っていた」という磯山Pの言葉通り、もはや彼でしか考えられないと思わせるほどハマり役となっている。(編集部・石井百合子)