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「離婚しようよ」の錦戸亮は初登場シーンの“微笑み”が肝

Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より錦戸亮演じる加納恭二
Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より錦戸亮演じる加納恭二

 松坂桃李仲里依紗が夫婦役で共演するNetflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)で、仲演じる国民的人気女優を惑わせる“色気ダダ漏れの自称アーティスト”がハマり役となった錦戸亮。本作で錦戸が放つ魅力について、2014年のドラマ「ごめんね青春!」以来9年ぶりに組んだ金子文紀監督が語った(※一部ネタバレあり)。

【動画】錦戸亮、独立後の変化語る

 本作は、結婚5年目を迎えたお坊ちゃん三世議員・東海林大志(松坂)と、その妻でCM契約数6社、SNSのフォロワー数100万人の人気を誇る女優・黒澤ゆい(仲)が、離婚に向けて共闘する中で絆を深めていくコメディー。脚本を手掛けたのは宮藤官九郎大石静。金子監督とは、宮藤は「木更津キャッツアイ」(2002)をはじめ多くの作品で、大石は「大恋愛~僕を忘れる君と」(2018)などで組んでいる。

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 金子監督が錦戸と初めて組んだのが、東野圭吾の小説を宮藤の脚本のもと連続ドラマ化した「流星の絆」(2008)。約15年前になるが、当時と比べて錦戸が「ずいぶん大人になった」と金子監督。「悔しいので本人は褒めませんけど(笑)、役に臨む姿勢や台本を読む集中力、芝居の深さなどあらゆる面において成長している。昔は活舌がよくなかったけど、それも解消されていました。ご自身の立場が変わられたっていうのもあるのかもしれません。多分彼の中に物語、ドラマが好きという気持ちが強くあるからこそなんでしょうけど、すごく真面目だなって思いました。以前は結構僕をいじって遊んでいたんですけど、今回はなくて物足りなかったぐらい(笑)」と圧倒された様子だ。

 本作で錦戸が演じるのは、女優として、女性として酸いも甘いもかみわけてきたゆいを一瞬で魅了してしまう男・加納恭二。ゆいが女優であることすら知らないうちにグイグイ距離を縮めたかと思えば、「今日は帰ってほしい」と突き放すような気まぐれな一面も。そして、性的な悩みも抱えている設定だ。本作での錦戸の魅力について、金子監督はこう語る。

 「今回の役ってカッコいいだけじゃなくて、ちょっと笑えるところ、足りないところがある。要するに一言で説明できないような役。だから役を理解するのはとても難しかったと思います。僕も台本を読んでいて、カッコいい、笑える、どちらの色に染めればいいのか悩んだんですけど、おそらく僕が決めるのではなく錦戸君の好きにやってもらった方が絶対面白くなるという直感があった。任せられると思わせてくれる、信頼できる人に今回はよりなっていたなと。素晴らしかったなと思います」

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女優の黒澤ゆい(仲里依紗)と親密に……

 確かに恭二は、ゆいに贈るオブジェが何とも形容しがたいデザインだったり、思わず笑ってしまう一面もあるが、決して笑いをとろうとした芝居になっていないところが肝だ。金子監督は、撮影現場の錦戸について「どう演じたらいいのかと聞く役者さんもいるけど、錦戸君はさらっとやっちゃうんですよ。事前相談なし。だからといって考えていないのかと言えば、決してそうではないと思う。だけど、考えてきたことを意識して芝居するとよくないからさらっとやっちゃう、そういう感じだと思いますね。明らかに方向性が違ったり、こうした方がいいと感じた場合は言いますけど、今回はそれもなかったです」と振り返る。

 恭二のシーンでとりわけ金子監督が心を砕いたのが、ゆいと出会う初登場シーン。恭二のパートは大石が多く執筆しているというが、あるト書きに頭を悩ませることとなった。「ト書きに『煙草フレーバーであまり裕福そうにも見えない恭二だが、その曖昧な笑顔は雌なら誰でも反応しそうなフェロモンを放っている』とあって。大石さんの脚本には時々そういうすごいト書きがあるんだけど、一体どんな笑顔なんだって(笑)。この笑顔は僕の中で一番高いハードルでしたけど、こういうのは理屈じゃないので、錦戸君の勘を信じました。あまり意識するといいことないので、撮りも一発か二発でOKになった感じです」

 初登場シーンで金子監督を魅了した錦戸の微笑みは、いかなるものか。劇中のゆいと同様、きっと多くの女性を魅了することだろう。(編集部・石井百合子)

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