最後のインディ・ジョーンズを演じたハリソン・フォード、最終日のことは「感情的になりすぎて語れない」
本日6月30日に公開を迎えた映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のハリソン・フォードがジェームズ・マンゴールド監督と共にインタビューに応じ、インディ役、そして本作への思い入れの深さを明かした。
現在80歳のハリソンはインディ・ジョーンズを演じるのはこれが最後だと公言しており、本作もシリーズの総決算といえる内容になっている。撮影最終日のことを聞かれたハリソンは、笑みを浮かべながらも思い返すとつい感極まってしまうようで、「ああ。語れるには語れるんだが、そのことを口にすると感情的になってしまうとわかっているから……ジムに語ってもらうよ(笑)」とマンゴールド監督にバトンタッチ。
マンゴールド監督は「最終日だけでなく、その後にお祝いのパーティーをしたりしたわけだけど、家路について初めて“終わってしまったんだ”と打ちのめされる感じだった」と振り返る。「映画作りはサーカスの一座みたいなところがあって、長い時間、共に過ごして親しくなる。だけど最終日にはさよならを言わなくちゃいけなくて、彼らと次いつ会えるか、こんな絆がまた持てるのかもわからないんだ。だから僕にとってそれは、インディ・ジョーンズの終わりではなく、人生における最も感動的で素晴らしい経験の一つの終わりだった。ハリソンとはまたロサンゼルスで会えること、次の1年、編集室でインディを見つめ続けることになるのはわかっていたから必ずしもインディを恋しく思ったわけではないけど、このセットで生まれた絆は恋しく思ったよ」とほほ笑んだ。
インディの宿敵フォラー役のマッツ・ミケルセンにとっても、ハリソンの撮影最終日はグッとくるものがあった。インタビューに応じたマッツは「(一番思い出深いのは)映画の最後のシーンだと思う。僕は出ていないけどね。ハリソンの“インディとのお別れ”だったから、ただ待っていて、拍手をしたんだ」と語る。
「多くの意味で美しいひと時だった。そこにはシリーズ42年という歴史の重さがあり、ハリソンは僕たちに拍手を続けさせたくないから早く立ち去りたいという思いと、大切なその瞬間のために少しでも長くその場にとどまりたいという思いの間で揺れていて。とてもエモーショナルな瞬間だったから、“目撃者”の一人になれてとてもうれしいよ」とハリソンの心情をおもんぱかっていた。
そんなハリソンは自分が映らないシーンでもマッツをはじめとしたキャストが演技をしやすいようにセットに居続け、全身全霊で最後のインディ役を務め上げている。その原動力は映画作りへの愛なのだといい、「わたしは映画を作る時にする全てのことが大好き。セットにいることが大好きで、他の俳優たちとコラボレーションすることが大好きで、感情のエクササイズをすることが大好き。映画作りに関して、大好きでないことなんて一つもない」と言い切ったハリソン。「そしてわたしは、観客のために働くのが大好き。観客の皆さんに贈り物をするのが大好きで、わたしは贈り物選びにはうるさい(笑)。他の人からもらったプレゼントをそのままあげたりはしない。わたしが誇りに思うものをあげるし、わたしはこの映画を誇りに思っている。だからみんなが楽しんでくれたらいいな」と本作への思い入れの強さを明かしていた。(編集部・市川遥)
映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は公開中