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【ネタバレ】「離婚しようよ」松坂桃李&仲里依紗のベストシーンは?磯山P&金子監督がセレクト

Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より
Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)より

 Netflixシリーズ「離婚しようよ」(独占配信中)で夫婦役で共演した松坂桃李仲里依紗。本作での二人の“ベストアクト”を、プロデューサーの磯山晶とチーフ演出を務め金子文紀監督が語った(※ネタバレあり)。

【画像】選挙活動に一念発起する大志だが…

 本作は、結婚5年目を迎えたお坊ちゃん三世議員・東海林大志(松坂)と、女優ゆい(仲)が、離婚という目標に向かって共闘するコメディー。大志は当初イケメン三世議員として好スタートを切るも全く活躍できないうえに、数年前に撮られた女子アナとの不倫を野党にリークされ、人気は急降下。一方、ゆいは大志の地元・愛媛を舞台にした国民的ドラマ「巫女ちゃん」でブレイク。CM契約数6社、SNSのフォロワー数100万人と絶大な支持を集めている。そんな格差もあり、二人の仲はすっかり冷めきっていた。脚本を、『1秒先の彼』や『ゆとりですがなにか インターナショナル』などの映画公開を控える宮藤官九郎と、来年放送の大河ドラマ「光る君へ」が待機中の大石静が共同で執筆した。

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 松坂、仲の役者としての魅力について、金子監督は「基本的にお二人とも“ここで気合い入れるぞ”と気負う感じやオーラを極力出さないようにしているところがステキなんですよね」としみじみ。「台本を読めばどのシーンが重要なのかはわかるじゃないですか。だけど、さらっとやられるんですよね。難しい表現だろうと、ト書きだろうと。磯山さんがキャスティングする俳優さんは、皆さんそういう方なので演出する方は楽です」と磯山Pのキャスティングへの信頼もにじませる。

~以下、ネタバレを含みます~

 松坂の演技が最も優れたシーンについて、磯山Pはエピソード8で地元・愛媛5区から出馬した大志がライバルにまさかの敗北を期す展開をセレクト。「敗戦したあとのシークエンスにすごく集中していたように思います。松坂さんはいつも淡々とお仕事をされていますが、あのシーンでは感情のピークをどこに持っていけばいいのかといったようなことを、表に出して考えていた気がして。(負けのスピーチ)は長ゼリフですし、集大成的な演技だったと思います」

 そして、仲についてはエピソード5で大志とゆいが選挙活動帰りにレストランで夕食をとる場面を挙げる。顔を合わせればののしり合う二人だが、大志は女子アナの三俣桜子(織田梨沙)、ゆいは自称アーティストの加納恭二(錦戸亮)と、互いの浮気相手への不満を爆発させるうちに、いまだかつてないほど意気投合。ゆいは「わたしたちさ、誰かの悪口をさかなにしたらマジで一生しゃべってられるよね」と嬉々とする。

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 磯山Pは「もちろん松坂さんも素晴らしいですが、あのシーンでは松坂さんがどちらかというと受けだったこともあって、仲さんが際立っていました。お互いの浮気相手をけなし合っている時が一番楽しいっていう(笑)。そもそも、最初の企画段階で夫婦が離婚に向かっていくんだけど、自分たちの恋人の愚痴を言い合っていると異様に盛り上がるっていうシーンをやりたいなって思っていたので」と、作品の核となるシーンだったことも強調。

 金子監督も「観ていて一番楽しかったシーンは5話」と同調しつつ、最も感じ入ったシーンとしてエピソード1を挙げる。大志の地元・愛媛の神社でゆいと共に節分祭に参加するシーンだ。初めは快晴だったものの土砂降りとなり、イベントは中止を余儀なくされる。この時には互いに離婚を決意していた二人だが、大志が雨に濡れたゆいに欲情するというカオスな展開となる。

 「神社で雨に降られながら無言で立つ二人の後ろ姿とそれぞれの表情を撮ったんですけど、その時の表情が二人とも素晴らしくて。台本には『……』としか書かれていなかったんですけど。撮影中盤で撮ったシーンだと思いますが、二人のあの顔を見た時に“絶対うまくいく”と思えるような何かを感じました」

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 なお、松坂、仲ともに撮影現場で演者同士、あるいは監督と事前に話し合うことはほぼなかったという。磯山Pは「きっと想いを言語化して共有したくないタイプなんでしょうね」と言い、金子監督は二人の様子をこう振り返る。

 「基本的には方向性だけお伝えして、あとはお任せしていました。大枠で捉え方を間違えることはないですし、あるとしたらセリフや芝居の強弱、ニュアンスの確認作業ぐらいで。リハーサルでやってみて、相手の出方を見て“ああ、もうちょっと(テンションを)上げた方が相手もやりやすいだろうな”とか“これだと上げすぎだな”っていうのが、僕が言わなくても分かっちゃう人たちなので。撮影を早く終えることがお互い信頼し合っていることの証になっているのかなと。お二人とも本当に早く帰っちゃうんですよ(笑)」

 撮影現場では淡々とした松坂と仲だが、互いをリスペクトし合っているようで磯山Pからこんなエピソードも。「お二人とも完成した作品を観終えたあと、お互いを褒める連絡をくれたんですけど、現場で言えばいいのにって(笑)。わたしに“すごく良かった”と。もともとリスペクトし合っていたけれど、出来上がった作品を観てあらためて感じるものがあったようです。本当にお二人は喋らなくて、プロ中のプロでした」

 離婚という目標に向かう中で図らずも、互いを深く理解していくことになる大志とゆい。ロケ地やスタジオの都合などから順撮りではなかったものの、金子監督が「極力撮影スケジュールを最後にしてほしい」とスタッフに伝えたという最終話は、その意味が感じられる終着点となっている。(編集部・石井百合子)

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