『バービー』『オッペンハイマー』同日公開で驚異的なヒット!歴代最高の夏の週末興収を記録
全米ボックスオフィス考
先週末(7月21日~7月23日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、グレタ・ガーウィグ監督作『バービー』が興行収入1億5,500万ドル(約217億円)で首位、クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー(原題) / Oppenheimer』が興収8,050万ドル(約113億円)で2位デビューを果たした。同日公開の話題作2作が相乗効果で共に予想を上回るオープニング興収をたたき出し、先週末の総興収は速報値で、夏の週末興収として歴代最高を記録する快挙となった。(数字は Box Office Mojo調べの速報値、1ドル140円計算)
先週末の総興収は3億140万ドル(約422億円)になるとみられている。これはシーズン通してみても、2019年4月26日~4月28日の週末(『アベンジャーズ/エンドゲーム』公開週)、2015年12月18日~12月20日の週末(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開週)、2015年4月27日~4月29日の週末(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公開週)に次いで歴代4位の記録。特大ヒットの1作が市場を独占したこれまでと違い、今回は『バービー』と『オッペンハイマー(原題)』の相乗効果が劇場を盛り上げたのが注目すべき点だ。
『バービー』と『オッペンハイマー(原題)』という正反対の作風の2作が同日公開されるということで、2作のタイトルを掛け合わせた“バーベンハイマー”がインターネット・ミームになるなど長らく話題を呼んでいた両作。映画館オーナーを会員とする全米劇場所有者協会によると、先週末は20万人以上が『バービー』と『オッペンハイマー(原題)』の両方を劇場で鑑賞したのだという。
そして、『バービー』の鑑賞者は女性65%男性35%で、『オッペンハイマー(原題)』はその反対。互いに潰し合うのではなく、補い合う形でそれぞれ予想を上回るヒットを記録することになった。両作共に批評家及び観客から高い評価を得ており、話題性とクオリティーの両立で、人気シリーズ物でなくともこれだけの観客を集められるというのは、映画業界にとって非常に明るいニュースといえる。
『バービー』は、アニメーション映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(オープニング興収1億4,636万1,865ドル・約205億円)を上回り今年最高のオープニング興収を記録。女性監督作としても、『キャプテン・マーベル』(オープニング興収1億5,343万3,423ドル・約215億円、監督の一人アンナ・ボーデンが女性)を超えて歴代最高のオープニング興収をたたき出した。(編集部・市川遥)
7月21日~7月23日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『バービー』
2(初)『オッペンハイマー(原題) / Oppenheimer』
3(2)『サウンド・オブ・フリーダム(原題) / Sound of Freedom』
4(1)『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
5(4)『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
6(3)『インシディアス:ザ・レッド・ドア(原題) / Insidious: The Red Door』
7(5)『マイ・エレメント』
8(6)『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
9(7)『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
10(8)『ノー・ハード・フィーリングズ(原題) / No Hard Feelings』