吉永小百合、山田洋次監督からの一言に衝撃!「驚き、辛かった…」
女優の吉永小百合が30日、丸の内ピカデリーで行われた映画『こんにちは、母さん』完成披露試写会に出席。撮影前にメガホンを取った山田洋次監督から「もしかしたら撮影が途中でできなくなるかも」という事実を伝えられ、辛いなかでのクランクインだったことを明かした。舞台あいさつには、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、山田監督が登壇した。
本作は、劇作家の永井愛の戯曲を元に、山田監督が映画化。『母べえ』『母と暮せば』に続く『母』3部作で、現代の東京下町を舞台に、母親と息子、彼らを取り巻く人々が織り成す人間模様を描く。吉永は映画123本目にして初の祖母役を務めることでも話題になっている。
吉永は「山田監督からこの作品に入るまえ、『もしかしたら途中で撮影ができなくなるかもしれません』と伺って、驚き、辛かったんです」とクランクイン前の心境を述べると、「でも撮影が始まると、どんどん元気になって、この間もキャンペーンで地方まで行ったんです」と90歳を超えてもますます元気な山田監督に安堵の表情を見せた。
山田監督は「そんな話をしていましたっけ?」と苦笑いを浮かべると「あのときは、真剣にそう思ったのかな。でもクランクアップしたときは、『やれやれ倒れないで良かった』と思ったのは事実です」と胸の内を明かした。
吉永にとっては映画出演123本目にして初となる祖母役。山田監督は「僕も吉永さんをおばあちゃんと呼ぶことに抵抗があった。小百合さんもそう呼ばれたことはなかったと思う」と語ると「おばあちゃんに見えない人に、おばあちゃんの動きをさせることが正しいのか考えたとき、大変美しくてかわいらしい小百合さんなりのおばあちゃんでいいじゃないかと考えるようになったんです」と山田監督なりのおばあちゃん像を当てはめたようだ。
吉永演じる福江の息子・昭夫を演じた大泉は「吉永さんから僕が生まれますか。しかも僕の娘が永野芽郁ちゃんって」とビジュアル面を自ら突っ込むと「でも映画を観ていただければ、僕と吉永さんが母子であることに納得していただけると思います」と胸を張って語っていた。
この日は夏にふさわしい浴衣姿や和装姿で登場したキャスト陣。それぞれ壇上で一回転して涼やかな衣装を見せるなど、夏にふさわしいイベントになった。(磯部正和)