『カールじいさんの空飛ぶ家』少年ラッセルのモデルは私です!『マイ・エレメント』監督が明かす
今夜の金曜ロードショー(日本テレビ系)では、ディズニー&ピクサーの傑作アニメーション映画『カールじいさんの空飛ぶ家』が放送される。同作に登場するぽっちゃりしたボーイスカウトの少年ラッセル・キムのモデルになったのは、長年にわたるピクサー社員で、同社の新作『マイ・エレメント』(公開中)では監督を務めたピーター・ソーンだ。
インタビューに応じたソーン監督は当時を振り返り、「間違いなく、彼のデザインの一部はわたしの見た目から始まりました」と笑う。『カールじいさんの空飛ぶ家』には絵コンテを手掛けるストーリーボードアーティストとして参加していたソーン監督は、制作チームに自身の幼少期の話をし、それがきっかけでラッセルというキャラクターが形作られていったのだという。
「子供の頃の僕はニューヨークに住んでいたのにもかかわらず、野生でのサバイバル術が書かれたボーイスカウト本を使っていました。それが面白いコンセプトだと思われたみたいで、彼に仮の声を提供し、彼の個性やユーモアを見つけることになりました。そんな中で、アーティストたちがわたしのぽっちゃりした顔を使ってキャラクターをデザインし始めて。プロダクション・デザイナーのリッキー(・ニエルヴァ)が、僕の顔を“帽子をかぶった親指”みたいな感じに描いて、そこからラッセルが生まれていったんです!」
奇遇にもソーン監督の『マイ・エレメント』と同時上映されるのは、『カールじいさんの空飛ぶ家』のその後を描いた短編映画『カールじいさんのデート』となった。ソーン監督は「そのことをとても誇りに思っています。あの映画とつながっているのがうれしいんです。僕が初めて監督した『晴れ ときどき くもり』という短編は、『カールじいさんの空飛ぶ家』と同時上映されました。そして今度は『カールじいさん』の短編が僕らの映画の前に上映される……。一周して完璧な円になったような感じで、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜んだ。
『マイ・エレメント』は火、水、土、風のエレメント(元素)たちが暮らすエレメント・シティを舞台に、アツくなりやすい火の女の子エンバーと、涙もろくて優しい水の青年ウェイドの恋を描いたとびきりロマンチックな感動作。自身の体験を基にした、ソーン監督の深い思い入れがある作品だ。監督は「観客の皆さんがこの映画を楽しみ、この世界のイマジネーションを感じてくれることを願っています。そして、父と娘、青年とこの若い女性の間に生まれる愛を感じてほしいです。本作はたくさんの愛と、楽しさから生まれたものなのですから」と呼び掛けていた。(編集部・市川遥)
映画『マイ・エレメント』は公開中