デート番組のバチェラーは連続強姦殺人鬼だった…衝撃の実話が映画化
第48回トロント国際映画祭
1970年代、連続強姦殺人を犯しながら人気デート番組にバチェラーの一人として出演したことで知られるロドニー・アルカラを題材にした映画『ウーマン・オブ・ジ・アワー(原題) / Woman of the Hour』が現地時間8日、第48回トロント国際映画祭でワールドプレミア上映された。
アルカラは、自らを写真家と称して女性たちを誘い出し、レイプし殺害。蘇生しあらためて殺すことを繰り返すという病的な殺人鬼で、犠牲者は判明している数よりかなり多いものと考えられている。「The Dating Game」は、女性がついたて越しに3人のバチェラーにいろいろな質問をし、顔を見ずに恋人にしたい1人を選び出すデート番組で、勝者にはその女性との旅がプレゼントされる。アルカラは当時、すでに性犯罪者として登録されており、刑務所から釈放されたばかりだったが、そんな番組に出演していた。
本作は『ピッチ・パーフェクト』シリーズや『ザ・コンサルタント』などで知られる女優アナ・ケンドリックの監督デビュー作だが、アナは初監督だと感じさせない巧みな手腕を披露。極端なアルカラのケースを例に、より普遍的な、男性と女性の間に無視できないほど不快な力関係があることをスクリーン上でつまびらかにしている。力ではかなわない相手に勝手に髪に触れられたり夜道で追いかけられたりすることの気持ち悪さや恐ろしさ、それでも生き延びるためには相手をなだめすかさなければならないことなど、醜悪なリアルが身に迫る。
アナは「The Dating Game」に出演してアルカラと対峙することになる売れない女優役も務めており、恐ろしい作品にユーモアも持ち込み緩急をつけることで、観客の集中力を途切れさせなかった。アルカラを不気味に演じたのは、『ヴァチカンのエクソシスト』のダニエル・ゾヴァットだ。(編集部・市川遥)
第48回トロント国際映画祭は現地時間9月17日まで開催