今夜!名探偵コナン『純黒の悪夢』最新作とのリンクは?キュラソー登場回
現在公開中の劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』のフィナーレに向けた特別企画「ブラッククロージング」が盛り上がりを見せる中、『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が、22日の金曜ロードショーで放送される。最新作『黒鉄の魚影』とのつながりとともに、『純黒の悪夢』の見どころを紹介する。
【画像】キュラソー登場!『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』より
2016年に公開された劇場版第20弾となる本作は、「純黒」というタイトルから想起されるように、黒ずくめの組織が登場する。ちなみに、第13弾『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』・第26弾『黒鉄の魚影』のように黒ずくめの組織の登場回には「黒」が入るのがポイントだ。
ただ、“黒シリーズ”が基本的に「ある事件が発生し、その背後に黒ずくめの組織の関連が……」という展開になるのに対し、『純黒の悪夢』は様相が異なる。なんと、冒頭から末尾まで黒ずくめの組織がメインの“事件”が展開するのだ。今回の物語は、日本警察から機密情報が盗まれたことから始まる。その情報とは、黒ずくめの組織の潜入捜査官リスト。その実行犯=キュラソーが公安の安室透・FBIの赤井秀一との交戦中に事故で記憶を失い、コナンと遭遇したことから自体が混沌化していく。
この「記憶を失った黒ずくめの組織の構成員」というかつてない設定が、本作の大きな魅力でありカギ。キュラソーがコナンや少年探偵団と行動を共にし、絆が生まれていく展開には、これまで絶対悪のイメージが強かった組織に対する新たな印象を覚えることだろう(終盤には熱いドラマも用意されている)。なお、キュラソーの声を担当しているのは天海祐希。組織内では幹部クラスで冷酷な人物だったというが、記憶を失い優しさに目覚めるという変化を演じ切っている。同時に、上記のハートウォーミングな交流は「キュラソーが記憶を取り戻した瞬間、一瞬でピンチになる」という時限付きの状況でもあり、そのことが物語全体に緊迫感をもたらしてもいる。
さらに、安室や『黒鉄の魚影』でも大活躍したCIAの潜入捜査官・水無怜奈が本格登場するのが本作。安室はバーボン、水無はキールのコードネームで組織に潜入しており、キュラソーが盗んだ「ノックリスト」によってふたりの命も危険にさらされる。ちなみに劇中で使われる「ノック(NOC)」は「Non Official Cover(非公式諜報員)」のことで、テレビアニメ「ブラックインパクト」編などで示された隠語。原作&アニメで引っ張っていたネタが序盤から惜しみなく登場し、制作陣の気合の入りようがうかがえる。
本作では、赤井や安室を巻き込んだ黒ずくめの組織・FBI・公安らのキュラソー争奪戦が勃発。冒頭からアクションてんこ盛りで、特に観覧車を使ったシーンの数々はシリーズ屈指の迫力だ。赤井がかつて黒ずくめの組織に潜入捜査していたときの因縁から、犬猿の仲であるふたりのバトルが観覧車の上で行われたり、終盤には黒ずくめの組織の攻撃で観覧車が暴走し、未曽有の被害が出かねない状況に陥ったり……。『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』のツインタワー、『漆黒の追跡者』の東都タワー、『黒鉄の魚影』の潜水艦などなど、黒ずくめの組織が登場する劇場作品は毎度ド派手なスペクタクルが“お約束”となっており、見どころの一つとなっている。
ちなみに、本作の後日談となる『黒鉄の魚影』では、同作で初登場する黒ずくめの組織の構成員ピンガとキュラソーの関係性も明かされる。また、同作で活躍した「花火ボール」は『純黒の悪夢』でも重要な役割を果たす。コナンと赤井、安室との関係も変化するなど無数のリンクが張られており、作品を行き来することでより味わいが増すことだろう。(文:SYO)