遠藤久美子、W主演の遠藤健慎＆塩田みうに感謝 夫・横尾初喜監督の新作公開
女優の遠藤久美子が30日、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた映画『こん、こん。』の公開記念舞台あいさつに、本作のメガホンを取った夫で映画監督の横尾初喜と出席した。壇上にはW主演を務めた遠藤健慎、塩田みう、共演者の栄信、中山晴華、龍真、橋本和太琉、脚本の藤井香織も登壇した。
本作は至って普通の大学生の青年と、好きなものがたくさんある同級生の女性との出会いを、長崎県オールロケで描いたラブストーリー。今年の6月に長崎で先行公開され、全国公開を迎えた。
主演の遠藤健慎は「思い入れの強い特別な作品です。嬉しいです」と感慨深げにコメント。「横尾監督と一緒に仕事をするのは3度目です。僕のパーソナルな部分をよく知ってくれている方で、台本には自分のいい部分、僕が自分で自分が嫌いだと思っている部分をちゃんと反映してくださっていて、最初に台本を読んだときは恥ずかしかったです」と語る。
また、「俳優をやっていて、この仕事が好きと感じる部分は自分の人生を芝居に生かせるところ。嫌いなところは他人の芝が青く見えるところだと思っていたんです。でもこの作品に出て、他人の芝が青く見えなくなりました。やっと、自分のことが好きになれました」と、撮影を通じて俳優としての成長を実感したことを明かし「俳優として走り続ける自分をぜひ皆さんに見てもらえたら」と呼びかけた。
塩田も「初めて（長編映画）主演、初めての恋愛映画ですごく大切な作品」と本作への特別な思い入れを告白。「6月の時点の先行公開で、長崎の皆さんにお届けする機会は多かったけど、今回、全国公開。長崎の景色、方言をみなさんにお伝えできるのが嬉しいです」と心境を明かした。
横尾監督の妻である遠藤久美子も、「私の主人は長崎出身。今回、長崎を切り取る作品になると聞いて、台本が出来上がった段階ですごく感動したのを覚えています」と監督の隣で笑顔を浮かべつつ撮影を回顧。2か月間ほど家族で現地に滞在していたことも明かし、ロケ地を偶然ドライブ中に見つけたエピソードも披露。「撮影した島はドライブ中、偶然に発見したんです」といい、「家族でドライブしてたら見つけて、『ここよかね～』って話して」と笑顔で裏話を明かしていた。
また、横尾監督が別の作品で健慎と塩田を起用した時のエピソードも紹介し、「二人のことを『とてもいい俳優、女優さん。いつかこの二人を主演に映画を撮りたい』と話していたのを思い出します。二人の頑張りがあったからこそ、今回の作品は成り立つことができたと思っています。主人の思い、皆さんの思いが一つになってこの映画が完成しました。私も素敵な役者の方々とご一緒できて嬉しかったです」と感謝と共に振り返っていた。（取材・文：名鹿祥史）
映画『こん、こん。』は全国順次公開中