「もっふんといっしょ」突然の第3528話配信&ヒメノ・ラン製作総指揮の謎…「キングオージャー」脚本家が真相語る
特撮ドラマ「王様戦隊キングオージャー」(毎週日曜午前9時30分~・テレビ朝日系)第31話に登場した劇中アニメ「もっふんといっしょ」の第3528もふ(第3528話)「千花繚乱編『暁に消ゆ』」が、10月8日10時から東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信される。配信を前に、「キングオージャー」「もっふんといっしょ」両作の脚本を手がける高野水登がコメントを発表し、第3528話配信の経緯、アニメ制作国・イシャバーナの女王ヒメノ・ラン(村上愛花)が製作総指揮に名を連ねたことについて説明した。
【画像】もはやホラー…「もっふんといっしょ」作風が激変した第3528話
「もっふんといっしょ」は、リタ・カニスカ(平川結月)が治める氷雪の国「ゴッカン」に伝わる雪男伝説をベースにした作品。イシャバーナのクリエイター総動員で制作され、国内では最高視聴率90.9%を記録、10年以上かけて約4,000話が制作された(番組内設定)。第3528話では、密猟八武衆のカスブッタに追い詰められた未確認生物ハンター・パンピー(声:金光宣明)ともっふん(声:大塚芳忠/『キングオージャー』の世界ではフォーツカ・フォーチュン)の姿が描かれている。
「もっふんといっしょ」の脚本にクレジットされている高野だが、「実際に脚本を執筆したのは、(『キングオージャー』の舞台)チキューのイシャバーナにいる『もっふんといっしょ』専属の脚本家チームです」と明かす。「私の主な仕事は、チキューから送られてくる完成版のアニメの復元、翻訳、再編集であり、便宜的に脚本とクレジットされています(『もっふんのうた』作詞作曲についても同様です)」
高橋は、「もっふんといっしょ」との不思議な出会いを振り返る。「ある日、私はいつものように宇宙からの電波を受信しようと儀式を行なっていたところ、謎のデータを受信しました。解析したところ、どうやら動画ファイルのようでした。データはかなり破損しており、そのままでは観ることも難しい状態でしたが、それとは別に添付されていたメッセージだけは解読することができました。『我が名はイシャバーナの女王、ヒメノ・ラン。この美しく気高きアニメ「もっふんといっしょ」が、宇宙の彼方まで届くことを願う』。私は天命を受けたと思いました。お会いしたことはありませんが、ヒメノ・ラン様の願いを叶えるために、私が選ばれたのだと」
そこから、途方もない復元作業がスタート。「例えるなら、化石から恐竜を甦らせるような夢物語」と高橋は表現する。オリジナル版を忠実に復元し、TTFC配信に至ったものが、第1話から第3話、第57話、第3528話だ。第57話から第3528話と話数がかなり飛んでいるが、高橋いわく、第57話には第3528話に関する伏線が張られているという。
「力及ばず、それ以外の回はまだ復元が追いついていないか、地球に届いていない状態です。非常に中途半端で違和感を覚えた方も多いかと思いますが……なんと、第57もふで何気なく語られた設定が、第3528もふで伏線として回収されているのです。一体どれほど練られた作品なのか、私には想像すらできません。その脅威の作り込みの片鱗だけでも味わって頂きたく、配信に踏み切った次第です」
ヒメノが製作総指揮を務めた第3528話は、過去のエピソードとは打って変わった緊迫の劇画風アニメーションになっており、高橋も「まるで別作品になっていたことについては私共も大変混乱致しました」と告白。しかし、そこにはヒメノの想いが込められていた。「ヒメノ様ご本人による、千花繚乱編に懸ける想いが添付されていたので、ご紹介させて頂きます。『身体の細胞が入れ替わるからこそ、人は美しさを保てる。私たちは、変わらないために、変わり続ける』」
高橋は、全話配信を目標に復元を続けている。「膨大な費用がかかるため、皆様の応援が不可欠です。是非とも東映特撮ファンクラブ(TTFC)の入会と、既に入会済みの方は、繰り返しの視聴、また友人知人SNS 等でご紹介頂ければ幸いです。今後とも『もっふんといっしょ』をよろしくお願い致します」と呼びかけた。(編集部・倉本拓弥)