『クルエラ』監督の新作！『ダム・マネー　ウォール街を狙え！』2月日本公開

　SNSで結束した個人投資家たちが金融マーケットを席巻し、全米を揺るがす社会現象となった2021年の“ゲームストップ株騒動”を描いた映画『Dumb Money』が邦題『ダム・マネー　ウォール街を狙え！』として、2024年2月2日より日本公開される。メガホンを取ったのは、『クルエラ』『アイ，トーニャ　史上最大のスキャンダル』で知られるクレイグ・ギレスピー監督だ。

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　2021年初頭、アメリカの金融マーケットが激震する前代未聞の大事件が発生した。ネット掲示板に集った小口の個人投資家たちが、時代遅れで倒産間近とささやかれていたゲームストップ社（実店舗によるゲームソフトの小売り企業）の株をこぞって買いまくり、同社を空売りしていたヘッジファンドに大損害を与えたのだ。アメリカ各地に点在する無力な一般市民がSNSを通じて団結し、強欲なウォール街の大富豪にギャフンと言わせたこの反乱劇は、全米を揺るがす社会現象となり、日本でも大きな反響を呼んだ。

　『ソーシャル・ネットワーク』（2010）の原作者でもあるベン・メズリックのノンフィクション本に基づく本作は、ゲームストップ株に全財産を投じたキース・ギル（ポール・ダノ）をメインに事件の内幕を描き出す。パンデミックによって社会全体が疲弊し、誰もが孤独と将来への不安に苛まれていた未曽有の時期を背景に、YouTuber“ローリング・キティ”としてゲームストップ社の価値を真摯に訴え続けたキースと、彼の主張に共感して夢を追い求めた人々の人間模様がユーモア満載で繰り広げられていく。

　当時、24歳の息子と同居していたギレスピー監督は「息子は早い段階でゲームストップ株へ投資をしていたので、一連の出来事を逐一体験していた」と振り返る。「当時のアメリカは、新型コロナウイルスにより与えられた孤立感や社会的不安が深刻な問題になっていた。そこに現れた“ローリング・キティ”。ゲームストップ社の株がただ好きな、誠実で謙虚な平凡な男。このヒーローらしからぬヒーローが、世間の人々を夢中にさせ、感情を疲弊させ、ときに陶酔感を与えた。わたしは息子を通して、ゲームストップの物語のスリルや興奮、恐怖を味わった」ため、「“ゲームストップ株騒動”は単なる株取引の話ではない」ことを肌で感じ取っており、映画化するに至ったのだという。

　キース・ギル役のポール・ダノ、ヘッジファンドを率いるゲイブ・プロトキン役のセス・ローゲン、投資アプリ「ロビンフッド」創業者の一人であるウラジミール・テネフ役のセバスチャン・スタンら妙にハマっているキャスト陣の演技も見どころ。その他、『ザ・スーサイド・スクワッド　“極”悪党、集結』のピート・デヴィッドソン、『バービー』のアメリカ・フェレーラ、『トランスフォーマー／ビースト覚醒』のアンソニー・ラモス、『ダイバージェント』シリーズのシェイリーン・ウッドリー、『フルメタル・ジャケット』のヴィンセント・ドノフリオらが出演している。（編集部・市川遥）

映画『ダム・マネー　ウォール街を狙え！』は2024年2月2日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開