『エクソシスト』正統続編、恐怖のサブミリナル映像再び…オマージュシーン公開
ホラー映画の金字塔『エクソシスト』(1973)の50年ぶりとなる続編映画『エクソシスト 信じる者』(12月1日全国公開)から、オリジナル版へのリスペクトを感じられるオマージュシーンが公開された。
故ウィリアム・フリードキン監督が手がけた『エクソシスト』1作目は、少女に取り付いた悪魔と2人の神父の戦いを描いた作品。第46回米アカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネート、そのうち脚色賞&音響賞を受賞するなど、傑作ホラーとして今なお語り継がれている。正統な続編となる最新作は、悪魔に憑依された2人の少女をめぐる壮絶な物語が繰り広げられる。
公開されたのは、悪魔に狙われる少女アンジェラが、父ヴィクターと失踪した日について話すシーン。親友のキャサリンと3日間、森で行方不明となっていた後、どこか様子がおかしい彼女は、“なにか嫌なもの”を感じ取っている様子。ヴィクターはベッドで横になるアンジェラに優しく語りかけつつ、行方不明になっていた時に何をしていたのか尋ねる。すると、アンジェラは自分が産まれる前に亡くなった母親への思いを明かし、家族で熱心にミサへと通っているキャサリンと共に、母親の霊との交信を試みたことを語る。
注目すべきは、映像の途中にサブミリナル的に映り込むおぞましい悪魔の姿。この演出は、50年前に公開された1作目の名シーンの1つとして数えられ、オリジナル版へのリスペクトを感じられるオマージュシーンとなっている。
ちなみに、本作で少女たちに取り憑く悪魔のモチーフは、古代メソポタミアの人々に乳児を狙う残忍な悪霊として恐れられたラマシュトゥ。オリジナル版に登場したパズズとは異なる悪魔で、メトロポリタン美術館によると「強力な力を持つパズズは、ラマシュトゥに対する盾とされることが多かった。ラマシュトゥは絶大な破壊力を持つ魔の女神で、妊婦や乳児を特に好んで襲うことで恐れられていた」という。
特殊メイクアップアーティストのクリストファー・ネルソンは、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督と一緒に6か月かけて悪魔をデザイン。人体の型取り(ライフキャスト)から彫刻までの過程を行い、本作の悪魔を作り上げた。ネルソンは「ラマシュトゥの超自然的な部分と現実的な部分の中間地点にうまく着地した」とその出来栄えに自信をのぞかせている。(編集部・倉本拓弥)