『ゴジラ-1.0』ゴジラの手が横向きな理由 山崎貴監督がこだわり明かす
映画『ゴジラ-1.0』の監督・脚本・VFXを担当した山崎貴が3日、都内で行われた初日舞台あいさつに出席し、作品に込めたこだわりや、異例の規模での北米公開への思いを語った。この日は主演の神木隆之介をはじめ、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介も参加した。
以前から「ゴジラの大ファン」を公言してきた山崎監督。初日を迎えて「ずっと長い間ゴジラを撮りたい人から、ゴジラを撮った人になりました」としみじみ語ると、「撮りたい、撮れる、作っているという段階が楽しくて、いまは超ドナドナ気分。寂しくてたまらないんです。嫁に出した気分」と正直な胸の内を吐露。「もう一本ぐらい撮りたいです」と発言し、会場を沸かせた。
作品の内容は、公開までほとんど語られることがなかった。そんな中、浜辺は本作のゴジラの手の向きに言及し、「『シン・ゴジラ』のゴジラはGOD(神)なので上を向いていて、今までの作品は下を向いている。今回は手が横に向いているというのを聞いて自慢げに話しました」と語ると、山崎監督は「今回のゴジラは、獣と神の間ということで、横にしたんです」とこだわりを明かす。
さらに、劇中でゴジラと対峙する海のシーンについて、神木は取材の際「あの海のシーンはすごかった。圧倒的なCGでしたね」とVFXが得意の山崎監督だからこそ“誤解”されることが多かったと告白すると、「あれは、本当の海で撮っているんです。10日間かけて自然と戦いながらの壮絶な撮影だったんです」と強調する。
司会者から「なぜCGが得意の山崎監督なのに、実際の海で撮影したのか?」と問われた山崎監督は、「この時代、あまり過酷だったことを強調されると困るのですが……」と苦笑いを浮かべつつ、「やっぱりドキュメンタリーじゃないと、俳優の壮絶な表情は撮れないと思ったんです」と理由を説明。しかし、実際船上での撮影に入ると山崎監督は「僕は船には強かったはずなのに、あまりに揺れがすごくてモニターを見ていると気持ち悪くなって、早く帰りたいと後悔しました」と裏話を明かしていた。
本作は、12月1日より北米公開が決定している。上映館数は1,500館以上と、これまでの日本映画としては異例の規模。北米プレミアに神木と共に参加する山崎監督は、「最近ハリウッドに荒らされているゴジラですが、フロムジャパンの力を見せつけてきます」と力強く宣言すると、「どんな反応か楽しみですが、こちらは本家ですから」と自信をのぞかせていた。(磯部正和)