『マーベルズ』最速レビュー:MCU新チーム誕生、新たなアベンジャーズへの期待は最高潮に!
マーベル・スタジオ製作の新作映画『マーベルズ』では、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)における新ヒーローチーム“マーベルズ”が誕生する。10年前にアベンジャーズが結成された当時を彷彿とさせる本作は、MCUの次なるラスボス・征服者カーンが待ち受ける『アベンジャーズ』第5弾への期待が一層高まる作品だ。
別作品で活躍していたヒーローが一つの作品で合流し、共通の敵を倒すさまは、MCUのみならずヒーロー作品では夢のような展開だ。『マーベルズ』は、キャプテン・マーベル、モニカ・ランボー、ミズ・マーベル各々のストーリーを拡張させながら、クロスオーバー作品として三人一組での戦いを余すことなく見せてくれる。
三人が能力を使う度に、お互いの居場所が入れ替わってしまう現象も斬新だ。地球が拠点のミズ・マーベルがいきなり宇宙に放り出されたり、キャプテン・マーベルが自分に憧れるミズ・マーベルの自宅に迷い込むなど、最初は戸惑うマーベルズだが、それを武器にしてしまうところが彼女たちの強み。試練を乗り越えてチームの結束力が固まる王道ストーリーも、観ていて心地が良い。
どの登場人物も魅力的だが、特筆すべきはミズ・マーベルだろう。アベンジャーズオタクかつ等身大の女子高生キャラで視聴者の心を鷲掴みにした彼女は、スクリーンでも変わらずお茶目な姿を見せる。シリアスな展開が続く本作だが、天真爛漫な彼女の活躍は、束の間の癒しを与えてくれる。新鋭イマン・ヴェラーニは、その圧倒的な存在感で、ミズ・マーベル役に適任だったことを本作で改めて証明した。
新加入キャストでは、本作でMCUデビューを果たしたパク・ソジュンの活躍も見逃せない。物語のキーマンとなるヤン王子を演じているパクは、初登場シーンから強烈なインパクトを放つ。登場シーンは限られているが、それでも、一度観たら忘れないミステリアスなヤン王子を体現した。「梨泰院クラス」で日本でも知名度を高めたパクは、本作を皮切りにハリウッドの話題作で目にすることが増えるだろう。
本作の上映時間はMCU史上最短の1時間45分だが、情報量はかなり多い。特にラスト10分は、一瞬たりとも目が離せない怒濤の展開が待ち受けている。キャプテン・マーベルが『アベンジャーズ/エンドゲーム』で切り札となったように、マーベルズが次回作『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題) / Avengers: The Kang Dynasty』(2026年5月1日全米公開)で大きな戦力になることは間違いないだろう。もちろん、MCU映画なのでエンドロール中にあっと驚くお楽しみも用意されていて退出は禁物だ。(編集部・倉本拓弥)
映画『マーベルズ』は11月10日日米同時公開