【ネタバレ解説】『マーベルズ』エンディングが意味するもの よみがえる15年前の興奮
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に誕生する新チームが活躍する映画『マーベルズ』(全国公開中)。主人公キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)が後輩ヒーローたちと共闘する姿が描かれるが、エンディングではさらなる新展開が示唆された。今後のMCUにも影響するエンディングが意味するものとは。(以下『マーベルズ』の重大なネタバレを含みます。映画鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします)
【画像】原作ではヤング・アベンジャーズの一員!アントマンの娘キャシー
『マーベルズ』では、アベンジャーズ最強クラスのキャプテン・マーベルが、親友マリアの娘モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)、キャプテン・マーベルに憧れる女子高生カマラ・カーン/ミズ・マーベル(イマン・ヴェラーニ)とチームを結成。奇妙な入れ替わり現象に苦戦しながら、キャプテン・マーベルに強い憎しみを抱く謎の敵ダー・ベン(ゾウイ・アシュトン)に立ち向かう。
エンディングでは、ダー・ベンとの戦いを終えたカマラが、とあるヒーローに接触した。ドラマ「ホークアイ」に登場した若き弓の名手ケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)だ。カマラは「新しいチームを作っている」とケイトに打ち明ける。現状のメンバーはカマラだけで、アントマンの娘=キャシー・ラング(キャスリン・ニュートン)も誘う予定だという。カマラから誘いを受けたケイトが、笑みを浮かべたところでスタッフクレジットに突入した。
カマラが組織する新チームとは、以前からMCU登場が噂されていた「ヤング・アベンジャーズ」だろう。ヤング・アベンジャーズとは、次世代マーベルヒーローが所属する若手チームのこと。MCUフェーズ4では、新世代ヒーローが次々とデビューしており、カマラ、ケイト、キャシーのみならず、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で活躍したアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)、ドラマ「ワンダヴィジョン」に登場したワンダ・マキシモフの子供ビリー&トミー(原作ではウィッカン&スピードというヒーローを名乗る)など、ヤング・アベンジャーズ候補が揃ってきている。
『マーベルズ』のラストシーンは、今から15年前、MCUの記念すべき1作目『アイアンマン』(2008)をオマージュしたものだ。カマラが暗闇から登場する演出は、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)がトニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)に「アベンジャーズ計画」を明かすシーンとそっくり。「大きな世界の一員」という言葉も『アイアンマン』に出てきたもの。カマラはアベンジャーズオタクであることから、フューリーに成り切ってケイトをリクルートしたとも考えられる。アベンジャーズ計画が始動した15年前に感じた興奮が、『マーベルズ』の最後で蘇った観客も少なくないだろう。
ヤング・アベンジャーズの結成は、ケイト役のヘイリーも「ホークアイ」配信当時に言及しており、「その日が来るのを楽しみにしている」と記者会見で発言していた。次のMCUヒーロー集合映画は、『アベンジャーズ』シリーズ第5弾『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題) / Avengers: The Kang Dynasty』(2026年5月1日全米公開)。同作でヤング・アベンジャーズがお披露目となるのか、もしくは単独映画が製作されるのか。新世代ヒーローの集結はそう遠くないはずだ。(編集部・倉本拓弥)