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「幽☆遊☆白書」北村匠海・志尊淳・本郷奏多・上杉柊平、苦しみも喜びに…“泥臭さ”全開で挑んだ実写化を語る!

Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」に出演した上杉柊平、志尊淳、北村匠海、本郷奏多
Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」に出演した上杉柊平、志尊淳、北村匠海、本郷奏多

 ついにベールを脱いだNetflixシリーズ「幽☆遊☆白書」。不慮の事故で命を落とした主人公・浦飯幽助が、悪さを企む妖怪たちを退治する“霊界探偵”として、人間界を混沌に陥れようとする強大な敵に立ち向かっていく物語を壮大なスケールで描く。そんな本作について、幽助役の北村匠海、蔵馬役の志尊淳、飛影役の本郷奏多、桑原和真役の上杉柊平が集まり、壮絶なアクションシーンの裏側や、世界に向けて発信されるシリーズに挑戦した意義を語り合った。

【動画】実写「幽☆遊☆白書」キャストが明かすアクションの裏側!

仲間がいたから乗り切れた

蔵馬、北村、桑原、飛影(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)

 原作は、冨樫義博の1990年代を代表する大ヒット漫画。あの壮大な世界観をどう表現するのか。実写化が発表された際は、ファンから期待の視線が注がれた。そんななか、主人公の浦飯幽助を演じたのは、北村匠海。「昔からアニメという日本の文化を誇りに思っていました。そのなかでも人気のあった『幽☆遊☆白書』。しかも幽助役ということで、相当恐怖心に近いものがありました」と率直な感想を述べる。

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 その一方で「監督を務めたのが、僕が初めてW主演した映画『君の膵臓をたべたい』でメガホンをとった月川翔監督。月川監督が何か現状から一歩前に出るとき、僕にも声を掛けてくださっている気がして、また『一緒にやろう』と言ってくれたのが嬉しかったし、監督とならやれると思ったんです。さらにほかのキャストが続々と決まっていくなか、『このメンバーなら絶対楽しい、大丈夫』と前向きな気持ちになれました」と語る。

 北村が最初に抱いていた“恐怖心”に近い感情を持ったのが、蔵馬役の志尊だ。「やっぱり『幽☆遊☆白書』の実写化、しかも蔵馬って、いろいろな方にとって、初恋のキャラクターといわれるぐらいの存在だと思うんです。芝居だけではなくビジュアルも含めて、すべてが憧れのキャラクターなんて正直できないですよ」と苦笑い。それでも前向きに捉えられたのは、月川監督や、北村をはじめとするキャストと、一流のスタッフの存在だ。「本当に怖かったし、不安しかなかった。でもこれだけの方々が、高いハードルを実現に向けて進むというなか、ワクワクが弱気に勝りました。決断するまでには時間がかかりましたが、覚悟を決めてからは前向きに向き合えました」。

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 北村や志尊の思いに対して、飛影役の本郷、桑原役の上杉は、最初から「楽しみで仕方なかった」と笑顔を見せる。本郷は「Netflixさんがすごい予算感でやる作品。どんな現場なんだろうとワクワクしていたのですが、想像していた何倍もすごかった」と振り返ると、上杉も「やる前から市場が国内だけじゃないと決まっている作品に参加できる機会なんてなかなかないじゃないですか。そこに参加できるという高揚感は大きかった」と笑う。

 それぞれオファーを受けたときの感情はさまざまだが、撮影前の準備を含めて、スケールの大きさには一様に驚いたという。その“大きさ”が滾る思いへと昇華されていく。

 北村は「日本の原作を重んじる文化における『幽☆遊☆白書』の存在って、特大のプレッシャーがある。それを自分たちのなかに吸収していくには、キャパが足りないんですよね。そこをどうやって受け止めていくか」とプレッシャーに打ち勝つための準備が必要だったことを明かすと、志尊は「とにかくスケールがすごいんですよ」と笑顔。

 続けて志尊は「例えばワンシーンのために『下関に行きます』『新潟に行きます』といって撮影に行く。もちろんどんな作品でも全力で取り組むのは当たり前なのですが、本当にワンシーンワンシーン、目線一つでも全く気が抜けない。全身全霊をかけないと映像に負けちゃうんです」と語る。

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全員が納得するまで撮り直し!

 こうしたこだわりを、アクションシーンでさらに強く感じることになる。本郷は「本当に油断ができない。アクションシーンだと、平均でテイク20ぐらいは重ねるんです。そこにいる全員が100パーセント納得できるカットが撮れない限り次に進まない」と語ると「本当に0コンマ何秒という世界で撮影をしていました」と振り返る。

 北村も「NGになる理由が『力の軌道と心の軌道が違う』なんてことも多々ありました」と例を挙げると、志尊も「蔵馬はバラの鞭(薔薇棘鞭刃/ローズウィップ)を振るのですが、あれはCGだから実際の撮影現場では合成用の棒を持ってやるんです。自分ではいい動きができたかなと思っても、軌道が見えないからとNGになる。手首を返す角度とかが違ってしまったり、とても難しいんです」と苦笑い。

 完成した映像には最新のVFX技術が駆使されているが、現場では常に精巧に作ったリファレンスを使って動きを確認するなど、地道なアナログ作業の繰り返し。泥臭い作業を積みかさねていくことで、最新の映像になることを知ることができたことは大きかったと4人は語る。

積み上げた根気強い作業と最新VFXによる映像も本作の見どころのひとつ(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)

 丁寧に紡ぎあげたアクションシーン。志尊は首縊島(くびくくりとう)で桑原が螢子や雪菜を守るために戦うシーンに触れ「あのシーンは『ジュラシック・パーク』とか『インディ・ジョーンズ』みたいですごかったよね」と語ると「『幽☆遊☆白書』の世界観だと、やっぱり(相手が)妖怪のイメージなので、怪獣のような敵との戦いにはびっくりした」と感嘆。実際の撮影に挑んだ上杉は「あそこのシーンもアナログなんだよね。スタッフさんが『こちらに敵がいてウォーって言います』と叫んでくれるんです」と地道な作業が、緊張感あるシーンを生み出していることを強調していた。

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特訓のためだけにスタジオ借り上げ!

 本作の撮影はコロナ禍で行われた。志尊は「かなり制約があったんです」と切り出すと北村も「マスクをしながらのアクション練習がきつかった」と苦笑い。そんななか4人が驚いたのが、アクションのためのスタジオを2年間借りたと報告されたこと。志尊は「あれはビビったね」と笑うと、上杉も「ワイヤーを使ったアクションがあるので、高い天井のスタジオで、すべてが整っているんです」とスケールの大きさに脱帽したという。

 本郷は「単純にワイヤーを吊るすだけだったら、広いところがあれば大体できるのですが、ワイヤーに吊るされた状態で20メートルぐらい直線を走りたいという要望があると、かなり広いところじゃないとダメ。しかも直線のワイヤーに、見たことないような滑車みたいなものを腰に結んで動くんです」と明かす。

 そんな特殊な環境のなかで、一日中アクション練習をこなす日々。こうした弛まぬ努力が、作品中のアクロバティックなアクションに結びついているというのだ。北村は「毎回マネージャーさんと車で練習場に行くのですが、近づくにつれて『来た来た来た!』ってテンションが上がっていきました」とアドレナリンが上がる現場だったというと、志尊は「絵コンテが決まってからは、そこに向けて練習をすればいいのですが、その前は、いろいろなアイデアが出るたびにチャレンジするんです。バク宙をしながらひねってほしいという要望もありました。10キロ近いリングハーネスをつけて身体をひねると結構きついんです」とハードな練習だったことを明かす。

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 本郷も「アクション練習ってアクション部主導なんですよね」とつぶやくと「あの方々の体力基準もすごくて、休憩だからって座ったりしない。普通、休憩ってなると、15分ぐらいゆっくりして体を休めたりするじゃないですか。アクション部の方々って、本当にスポーツドリンク飲んで30秒ぐらいでまた始めるんです」と驚くばかり。

 話の端々からハードな練習だったことがうかがえるが、それでも本郷は「そのおかげで素敵なものができた」と満足そうに語る。

目標は「100点」

 幽助、蔵馬、飛影、桑原に立ちはだかる妖怪たちのビジュアルや戦闘シーンも圧巻だ。北村は「みんなリスペクトしている仲間たち」と語ると、なかでも戸愚呂兄弟を演じた綾野剛滝藤賢一がハリウッドの最新VFXを体験したことに大きな影響を受けたという。

戸愚呂兄弟を演じた綾野剛と滝藤賢一(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)

 北村は「剛さん、滝藤さんはロサンゼルスでVFXを完成させるためにセットで撮影し、シーンの表情だけをもう一度撮影していたので、そのシーンの芝居って、アメリカで、たった一人でやったものなんですよね。あの芝居を一人で出せるって、本当にすごい。それをやり切るバイタリティってすごいなと思いました」と圧倒的な表現力に脱帽する。

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 監督、スタッフ、キャストが妥協することなく、「100点」を目標に原作の世界観を追い求めて出来上がった全5話の物語。北村は「いろいろな過程をお話しましたが、とにかく楽しんでもらいたいです」と思いを語ると、志尊も「歴史に残る大作をお借りして、限られた時間のなか、僕らが体現できるものを追求しました。エンタメとして楽しんでほしいです」とメッセージを伝える。

 本郷も「みんなボロボロになりながら演じています。それはキャストだけではなくスタッフさんたちも一緒。一丸となって頑張ってきた作品なので、観てくださるだけで救われます」と期待を込めると、上杉も「いまエンターテインメントに時間を割いてくれる人が減っていると聞きます。30分でも長いと言われるなか、この作品は約1時間が5話ありますが、きっと見やすい作品になっていると思うんです。時間に追われている方でもきっと満足していただけると思うので、ぜひ、この作品を選んでいただきたいです」と力を込めた。(取材・文:磯部正和)

北村匠海×志尊淳×本郷奏多×上杉柊平「幽☆遊☆白書」座談会 » 動画の詳細
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