「光る君へ」井上咲楽、花山天皇に愛された女御役で視線意識 初大河は「ずっと緊張していました」
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、本郷奏多演じる花山天皇から寵愛を受けた女御・藤原よし子(※「よし」はりっしんべんに氏が正式表記)役で注目を浴びる井上咲楽。本作で初の大河ドラマ出演を果たした井上が、ドラマ公式Xで公開されたコメント動画「君かたり」内で、「セットから何からもう新しい世界すぎてずっと緊張していました」という撮影を振り返った(※ネタバレあり。第6回の詳細に触れています)。
井上演じるよし子は、藤原斉信(金田哲)の妹で、花山天皇の女御(にょうご)となった人物。本作では花山天皇が愛してやまない女性として描かれ、28日放送・第4回で初登場。花山天皇とよし子が一夜を共にした際の大河らしからぬ“アブノーマル”なラブシーンで視聴者を沸かせた。
よし子を演じた井上はタレント、コメンテーター、司会者とマルチに活躍。トーク番組「新婚さんいらっしゃい!」で藤井隆と共にMCを務め、女優としてはドラマ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」(2019)、「警視庁・捜査一課長」(2021)などに出演している。井上は初の大河ドラマ出演について「まず演技自体のお仕事とかほとんどしたことがないので、まずセットから何からもう新しい世界すぎてずっと緊張していました。なかなかああいう昔のお着物を着る機会がないので、あれもすごく貴重でしたし、髪の毛すごく重いなって思いながらつけていました。花山天皇がものすごく愛した女性だというふうに調べたらいろいろ出てきたので、相当女性として魅力的な人だったのかなと思って恐れ多いなと思いながら演じていました」と大いに刺激を受けた様子だ。
~以下、第6回のネタバレを含みます~
花山天皇の子を授かったよし子だが病に倒れ、11日放送・第6回「二人の才女」では花山天皇の願いもむなしく、死去。井上は「他の人に比べてよし子にだけはすごく優しく甘くしてくれるというところが、どんな気持ちでよし子看病してもらっていたのかなとか、こんなに愛してくれる人がいたらすごく幸せだろうなと思って、ちゃんと幸せだっていうことが出るようにしないといけないなと思っていました」と花山天皇に愛されたよし子の日々を振り返る。
第6回では衰弱したよし子を兄・斉信が見舞うシーンがあった。せんじ薬としてすっぽんの甲羅を持参し、「何ものどを通らない」というよし子に「元気な子を産んでいただかなくては」とプレッシャーを与え、さらには自身を取り立ててもらえるよう花山天皇への口添えを懇願する。井上はこの時のよし子の心境をこう振り返る。
「“こんなに妹が体を壊しているのにそんなことかよ”みたいな、“お見舞いに来ているけどそっちが目的でしょ”と思いながら、“ずるい人だなぁ”と思いながら接していました」
芝居では「そこからの花山天皇があとからやってきたときの、お兄さんへの接し方と花山天皇への接し方で差が出るといいなと思っていました。でも私はセリフもそんなになかったので、視線とかで表現できたらいいなと思って、ただ演技をしたことがないので、視線でどういう風に表現したらいいのかもわからなくて、心から思うしかないというか。心から花山天皇が本当に好きなんだという気持ちを心から持つように意識しました」と兄、花山天皇への接し方の違いを意識しながら演じたことを明かした。(編集部・石井百合子)