怪獣造形のレジェンド・村瀬継蔵総監督『カミノフデ』特報公開 主題歌はドリカム「Kaiju」に決定
『ゴジラ』シリーズや『大怪獣ガメラ』『大魔神』など、数々の特撮作品で特殊造形を務めてきた造形家・村瀬継蔵が初めて総監督を務め、構想50年の企画を映画化した『カミノフデ ~怪獣たちのいる島』の特報映像が公開された。また、主題歌が DREAMS COME TRUE の書き下ろし新曲 「Kaiju」になることも発表された。
【動画】ヤマタノオロチ出現『カミノフデ ~怪獣たちのいる島』特報映像
村瀬継蔵は、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」の造形を手がけるなど、特撮映画における着ぐるみ造形の基礎を築いた怪獣造形界のレジェンド。本作は、1970年代に村瀬総監督が香港・ショウブラザーズで書いた幻のプロットと企画書を基にしたオリジナルファンタジー映画となり、特報映像には、伝説の怪獣・ヤマタノオロチの荘厳な姿が映し出されている。
「仮面ライダー」や深作欣二作品の美術デザインなどで知られ、昨年惜しまれつつ亡くなった高橋章がオリジナルコンセプトデザインとして参加。脚本を小説家でUMA研究家の中沢健、ヤマタノオロチのデザインを“ゴジラ怪獣デザイナー”としても知られる西川伸司が担当し、“雲の神様”と呼ばれる背景絵師の島倉二千六、特撮ではロスガトスワークスの佐藤大介も参加するなど、時代を越えた特撮スタッフが集結。着ぐるみとミニチュアによるアナログ特撮と最新技術を用いて、CGとはまた異なる味わいを持つ映像を作り上げた。
5歳から子役として活躍し、大河ドラマ「八重の桜」や連続テレビ小説「あさが来た」の出演でも注目を浴びた鈴木梨央が出演。さらに、Foorinのメンバーとしても活躍した楢原嵩琉のほか、釈由美子、斎藤工、佐野史郎、監督監督の樋口真嗣など、特撮ファンおなじみのキャストがそろった。
主題歌は、村瀬総監督の熱い要望により、同郷(北海道・池田町)である DREAMS COME TRUE の吉田美和にオファー。中村正人も村瀬総監督が手掛けてきた怪獣造形の大ファンであったこともあって快諾し、この映画のために新曲「Kaiju」を書き下ろした。
本作は3月2日に大阪アジアン映画祭2024の特別招待作品として初上映され、夏に全国で劇場公開される。(編集部・入倉功一)
『カミノフデ ~怪獣たちのいる島』ストーリー
特殊美術造形家・時宮健三が亡くなった。祖父である時宮の仕事にあまり良い思い出がなかった朱莉は、複雑な心境でファン向けのお別れ会を訪れていた。そこには特撮ファンである同級生の卓也の姿もあった。朱莉と卓也は、時宮が作ろうとした映画『神の筆』に出演する予定だったという穂積と名乗る男と出会う。祖父が映画を作ろうとしていたことを初めて知る朱莉。穂積は、おもむろに鞄から『神の筆』の小道具である筆を手に「世界の破滅を防いでください」と話すと、その言葉とともに朱莉と卓也は光に包み込まれた。気づくと二人は映画『神の筆』の世界に入り込んでいた。そして、映画に登場しないはずの怪獣ヤマタノオロチがこの世界のすべてを破壊し尽くそうとする光景を目の当たりにする。元の世界に戻るため、二人は時宮が作るはずだった映画『神の筆』の秘密に迫っていくのだが…。