小泉今日子、マヒトゥ監督作品「この30年ぐらいのなかで1番好きな日本映画」と大絶賛
歌手で女優の小泉今日子が9日、渋谷のホワイトシネクイントで行われた映画『i ai』公開記念舞台あいさつに富田健太郎、さとうほなみ、森山未來、マヒトゥ・ザ・ピーポー監督と共に登壇。長きに渡ってエンターテインメントの一線で活躍する小泉をして「この30年ぐらいのなかで1番好きな日本映画」と出来に太鼓判を押していた。
ロックバンドGEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督を務めた本作は、マヒトゥ監督の実体験をもとに、主人公のバンドマン・コウ(富田)と、コウが憧れるヒー兄(森山)、そして仲間たちが音楽と共に過ごした日々をつづった青春ストーリー。
ライブハウスの店長役として出演している小泉。「名前のない役なんですよ」と笑うと「ライブハウスに夢や憧れを持って集う若者たちはたくさんいると思うのですが、そのなかで音楽を生業にして生きていける人ってすごく少ない。そういう人たちが置いていった夢を墓守のような気持ちで見守っている人」と役について説明する。
マヒトゥ監督、撮影の佐内正史は小泉にとって魅力的な組み合わせだったという。小泉は「カメラマンの佐内さんとは何度もお仕事をしている、とても素晴らしい写真家。マヒトゥくんも佐内さんも独特な自分の言葉を持っている人。どちらのセンスがもともと好きだったので、この二人が組んだとき、どんなことが起こるんだろう」と前のめりで作品に参加したという。
監督・スタッフをはじめ「純粋に映画を作ることが好きな人たちがこれだけ集まってピュアに進んでいった現場はあまりない」と感想を述べた小泉は「参加できて良かった。心を奮い立たせる瞬間を感じました」と笑顔を見せると「本当に30年ぐらいのなかで一番好きな日本映画です」と絶賛。
約3,500人というオーディションから主役の若者コウの役を勝ち取った富田は「この作品に出会えたことは宝物になりました。これから思いを馳せてもらえるような俳優になりたいです」と未来に思いを馳せると、マヒトゥ監督も「お別れが真ん中にある話ですが、生きることについての物語。部外者が誰もいない、みんな当事者の話です」と作品に込めたメッセージを語っていた。(磯部正和)
映画『i ai』は渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開中