幾田りら&あの、緊張と向き合う方法は「一人の時間を作る」
アーティストの幾田りらとあのが18日、秋葉原UDXシアターで行われた映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』(3月22日全国公開)の高校生限定試写会に出席し、現役高校生100人の中から寄せられた質問に回答した。
【動画・トークノーカット】幾田りら&あの、現役高校生と交流!
「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載された浅野いにおの人気漫画を、2章立てでアニメーション映画化した本作。東京上空に突如飛来した巨大な宇宙船(=母艦)が日常へと溶け込んだ世界で、青春を謳歌(おうか)する少女たちの姿を描く。幾田は国民的漫画を愛読し、担任教師に思いを寄せる女子高生・小山門出役、あのは門出と小学校以来の親友で、戦争ゲームオタクの女子高生“おんたん”こと中川凰蘭の声を担当した。
幾田とあのが映画上映前に登場すると、客席の高校生たちは「かわいい!」「ヤバい!」と大興奮。その様子を見たあのが「みんなが高校生って、なかなかこんなことない。すごいよね」と感心すると、幾田も「みんなみずみずしいですね」と笑顔を見せた。
高校生たちからの質問コーナーでは、まず高校2年生から「高校のうちにでっかいことを成し遂げたいのですが、お二人が高校で成し遂げたいことは?」という質問が寄せられる。あのは、「僕は高校時代をあまり楽しめていたタイプではないので、文化祭とか行事を全力で楽しみたい。みんなは当たり前じゃんと思うかもしれないけど、ぼくが高校生に戻るなら真面目に真剣にやり遂げたいですね」と返答。幾田も「一緒に体育祭とかやりたいね」と続けた。
浪人生活が決定し、予備校に通うという男子高校生からは「二人が人生に行き詰まった時、どうやって自分を元気づけた?」という質問が飛び出す。まず、あのが「落ち込んでる時は、好きなものを気にせず、ばか買いをします。それか、どこか行きたい場所に行ったり。学校でも仕事でもそうだけど、毎日同じことをしていると、落ち込んだ時に逃げ道がなくなるから、好きなことをやって元気になる」と切り出すと、幾田も「わたしもそうかも。仕事と関係ないところで、信頼する家族や親友と会って。悩んでいることとか、うまくいってない状況を全部口に出してはなしてみて。そうしたら頭の中で整理がついたりして。それとか楽しい話をして、どこかに一緒に行く約束をしたりして。それを目標に、それまでの日々を頑張るとか。そういう風に自分が楽しいと思えることを、目標に沿えて頑張るのもいいんじゃないですかね」とアドバイスする。
さらにあのが「ライブを観たり、音楽を聴くのもいいし」と付け加えると、幾田も「わたしたちのライブに来てくれたら、非現実的なパワーを得られると思うんで、ぜひ来てください」と呼びかけた。
そして、アーティスト志望の高校3年生から「ライブでMCをする機会があるんですけど、緊張してしまって。人前で緊張しない方法はありますか?」といった質問が。それに対して、あのと幾田は「緊張はしてしまう」と返答。むしろ、その緊張とどう向き合うか、という観点で話は展開された。まずは、幾田が「わたしはMCとかでも、話したいことは明確にあるんですけど、いざその場面になったらうまく言葉が出なかったり、うまく伝えられていないなということがあったりするんですけど、わたしはライブの前に瞑想(めいそう)する時間というか。自分と向き合う時間をたっぷり作って、その時にMCで話したいことをしっかりとまとめて、口に出す練習をしたりとか、時間をちょっとたっぷりめに作ると、けっこう落ちついて『よし頑張るぞ』と言ってステージに立てるので、やってみてください」とアドバイス。
そして、あのも「緊張とは違うけど、ぼくも人前でしゃべるのは苦手でふるえちゃう。伝えたいことがあっても言葉がふるえちゃって。でもそれが駄目だと自分でも思ってないし。それを聞いてくれるファンもいるので、無理に直す必要はないんじゃないかなと。それとぼくも、一人の時間をライブ前に作ってもらって。MCで言うことは決めてないけど、集中して。ステージに立つ前に意識を高めて充電して。それをためてステージに立つということをしているから。ひとりで集中する時間を作るのは共通してたし、いいなと思いました」と続けた。
高校生とのやりとりに、終始楽しそうな表情を見せたあのと幾田。最後にあのは「今の高校生は冷たいとうわさで聞いていましたけど、皆さんがあたたかくて良かったです。今日は楽しんでください」と呼びかけて、会場を沸かせた。(取材・文:壬生智裕)