『オッペンハイマー』トルーマン大統領を演じたのは?ノーラン監督と12年ぶり再タッグの名優
“原爆の父”と呼ばれた米物理学者J・ロバート・オッペンハイマーを描く映画『オッペンハイマー』(全国公開中)は、クリストファー・ノーラン監督が「脇を固める名優も必要だ」と言うように、多くの主役級俳優が起用された。豪華キャストの中には、鑑賞時には気づかない大物もわずかに登場しており、特にハリー・S・トルーマン大統領を演じた俳優は、メイクアップの影響で「誰だかわからなかった」という声が上がっている。(以下、映画の内容に触れています)
第96回アカデミー賞で作品賞含む最多7部門に輝いた『オッペンハイマー』は、第2次世界大戦時、世界の運命を握ることになったオッペンハイマーの栄光と没落の生涯を、彼の視点から描いた作品。トルーマン大統領は、第2次世界大戦時にアメリカ大統領を務め、広島・長崎への原爆投下を承認した人物とも言われている。映画では、ホワイトハウスに招かれたオッペンハイマーが、トルーマン大統領と面会するシーンがわずかに登場する。
トルーマン大統領を演じたのは、ノーラン監督と縁が深い名優ゲイリー・オールドマン。ノーラン監督が手がけた『ダークナイト』三部作(2005~2012)でゴッサム市警のジェームズ・ゴードンを演じており、監督とのタッグは2012年の『ダークナイト ライジング』以来12年ぶりとなる。
ゲイリーといえば、チャーチル英首相役でアカデミー賞主演男優賞に輝いた映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で、カズ・ヒロらによる特殊メイクアップを施し、激変したことも記憶に新しい。『オッペンハイマー』でもトルーマン大統領に限りなく近づけるため、ウィッグを被って演じたという。また、ドラマ「窓際のスパイ」撮影のため、顎ひげを生やしていたオールドマンだが、「彼ら(スタッフ)が(ひげが)早く伸びることを知っているから、顎ひげは剃った」とDeadlineで役づくりについて明かしている。
ゲイリーとの共演シーンがあったオッペンハイマー役のキリアン・マーフィーは、「私は毎日、世界で最も素晴らしい俳優たちと共演していた。ある日はゲイリー・オールドマン。その次はケネス・ブラナー(ニールス・ボーア役)だ」と Entertainment Weekly で撮影の日々を振り返っている。(編集部・倉本拓弥)