『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』藤本賞で新人賞 内藤プロデューサー、鬼太郎を「世界に広げていければ」
映画製作者を表彰する第43回「藤本賞」授賞式が9日、都内で開催され、新人賞を受賞した映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の内藤圭祐プロデューサーが出席。「アニメーションの事業は映画公開が終わっても続いていきます」と作品の意義について述べた。
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「藤本賞」は、一般社団法人・映画演劇文化協会が主催する映画賞。生涯に渡って269本もの映画を製作した故・藤本真澄氏の業績を記念するとともに、毎年、全国の劇場公開用として製作、一般に公開された映画の中で特に観客の多大な支持を受け優れたエンターテインメント性を持った映画の製作者に贈られる。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する鬼太郎の父と、水木という男との出会いを描いたアニメーション。新人賞を受賞した内藤プロデューサーは「栄えある賞をいただきありがとうございます」と緊張しつつ笑顔を見せると、「この作品は、水木しげる先生の生誕100周年記念作品。鬼太郎という国民的なコンテンツを次の世代、そして世界に広げていければと思って取り組みました」と振り返る。
さらに「アニメーション事業というのは、映画の公開が終わっても続いていきます。太く長く導くところまでがわたしの任務」と断言し、「この映画をきっかけに広がった新たな層が、鬼太郎を愛し続けて、さらなる先に進んでくだされば、プロデューサー冥利に尽きます」と語っていた。
特別賞は、映画『PERFECT DAYS』の製作陣(柳井康治、役所広司、ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬)に贈られた。役所とヴェンダースは欠席となったが、役所は「優れた映画製作者に贈られる藤本賞。俳優のわたしがいただくのは、何かの間違いなのかなと思いました。最初は、自分が公衆トイレの清掃員役ということだけ決まっていた。それから製作者の一人として名を連ねると聞いて、何かの罠かなと思ったのですが、経験したことないことをたくさん経験させていただきました」とコメントを寄せた。
ヴェンダースも自身が敬愛する小津安二郎監督や黒澤明監督作品をプロデュースした藤本真澄氏の功績を称える賞を受賞したことに「彼の携わってきた映画の歴史に名を連ねることができたことは大きな喜びです」とメッセージを届けた。(磯部正和)