豪華キャストに衝撃!「きれいのくに」監督の深夜ドラマがぶっ飛びの面白さ
中川大志、染谷将太、上白石萌歌、窪田正孝、堤真一ら豪華キャストが名を連ねる深夜ドラマ「滅相も無い」(MBSで毎週火曜24:59~、TBSで毎週火曜25:28~)の初回が16日に放送され、そのぶっ飛んだ世界観と独特の味わいが反響を呼んでいる。
本作は、NHKドラマ「きれいのくに」や映画『ほつれる』などの劇作家、演出家、映像作家の加藤拓也が監督・脚本を務めたSFドラマ。舞台は、突如7つの巨大な穴が現れた日本。穴の正体はわからないままで、穴に入る者も多く存在し、帰ってきた者はいない。そんななか、穴を神とする男・小澤(堤真一)が現れ、「穴の中には救済がある」と説く。
初回は、穴に入ろうとする8人の男女がリゾート施設に集うところからスタート。そこにいるのは怒れない川端(中川大志)、思い出す菅谷(染谷将太)、田舎暮らしの松岡(上白石萌歌)、帰国生の青山(森田想)、取り返しがつかない渡邊(古館寛治)、起業家の真吾(平原テツ)、好奇心の井口(中嶋朋子)、夢うつつの岡本(窪田正孝)。そしてナレーションは津田健次郎。
主演を張るキャストの総動員にSNSでは「やけに贅沢」「深夜なのに」と驚きの声で沸いたが、注目すべきは奇想天外な世界観や演劇と映像が交錯するぶっ飛んだ作風。放送後、「深夜枠なのに豪華キャストと演劇みたいな撮り方が斬新で今後たのしみ」「加藤拓也ワールド!って感じでめちゃくちゃすき」「なんか新感覚 見終わってすぐもう一回見ちゃった」「アニメーションや舞台転換も凝っていて楽しい」「続きがめちゃめちゃ気になる…」とハマる視聴者が続出した。
第1話は、中川演じる怒れない男をメインにしたエピソード。ここでは穴に入る前におのおのが「なぜ入ろうと思ったか」を話し、記録するルールとなっており、入る予定が最も早い者として川端が名乗りを上げることとなった。彼が過去を語り始めると場面が切り替わり、子供のころから怒ることができなかった川端の日々が演劇で展開した。ヤマ場は、大学時代に恋人に数時間遅刻されても朝帰りされても怒れず、怒る“練習”をしても怒れなかった川端が、小澤の言葉からその原因を紐解いてからのこと。中川が、全く怒れなかった男がこれまでのうっ憤を爆発させるかのように怒りを増長させていく迫真の演技を披露した。
本作は、信者8人の会合シーンはロケーション撮影が行われ、それぞれの人生は全てスタジオセットのみで語られる。両親や友人など、語り手の人生に纏わる登場人物は、わずか6人のスタジオキャスト(秋元龍太朗、安藤聖、鳥谷宏之、中山求一郎、宮田早苗、安川まり)が全話を通して出演。約150役をこなし、セットチェンジ、早着替えもスタジオキャストが映像内で行うという、リアルタイムでの場面転換がなされている。
第2話は、染谷演じる菅谷のエピソード。小学時代に空手道場の合宿で出会った初恋の相手と、大学2年生の時にアメリカの留学先で偶然再会したことを語る。(石川友里恵)