「光る君へ」修羅場へのカウントダウンか…疑念渦巻く倫子に戦慄
吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)ではこれまで吉高演じる紫式部(まひろ)と、「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルともいわれる藤原道長(柄本佑)の秘密の恋が描かれてきたが、繰り返される“偶然の再会”によっていよいよほころびを見せ始めている(※一部ネタバレあり)。
幼いころに出会ってから別れと再会を繰り返し、数奇な縁で結ばれたまひろと道長。3月10日放送・第10回「月夜の陰謀」では道長が「俺はまひろと出会うために生まれてきたんだ」と思いの丈をぶつけ駆け落ちを迫るも、まひろは道長には直秀のように無残な死に方をする者が出ないような世の中にする使命があると諭し、身を割く思いで「片時も目を離さず、誰よりもいとおしい道長さまが政によってこの国を変えていく様を死ぬまで見つめ続けます」と告げた。それでも二人の愛は募る一方だったが、まひろが妾になることを受け入れられず葛藤しているうちに、道長は左大臣の娘である倫子(黒木華)との結婚を決意。二人は別々の道を歩むこととなった。
~以下、第17回のネタバレを含みます~
が……その後もまひろが職を失った父のために倫子を訪ねた際に道長とばったり再会。そして21日放送の前話・16回「華の影」では道兼(玉置玲央)と共に悲田院を視察に訪れていた道長が、そこでもまひろと再会。さらには倒れたまひろを一晩中寝ずに看病する展開となり、道長のただならぬ様子にまひろの父・為時(岸谷五朗)、まひろの弟・藤原惟規の乳母・いと(信川清順)も二人の仲を疑い始め、とりわけいとはまひろの苦しい弁解を嘘と見抜き、間違いなく道長と深い仲にあると見ていた。
そして愛の強さゆえか、道長が隠し持っていた漢詩を発見してから疑念が膨らみ始めた倫子。かなりの勘の鋭さで、その漢詩をしたためたのは女性ではないかとまひろに相談し、まひろがしどろもどろになる場面も。その後もしばしば道長が上の空になることがあり、16回では道長の心には自身でもなくもう一人の妻・源明子(瀧内公美)でもない第3の女がいると確信した。
第17回「うつろい」では視聴者をヒヤヒヤさせる倫子と道長のやりとりが。疫病患者のための救い小屋建設の資金繰りに悩んでいた道長を倫子は「私の財もお使いくださいませ」「思いのままに政を行ってください」と喜ばせた直後、すかさず「悲田院にお出ましになった時、どちらにお泊りになったの?」と“事情聴取”を開始。目を合わせず「内裏に戻って朝まで仕事をしておった」とうそぶく道長を笑顔でやり過ごしていたが、視聴者の間では「この流れでブッ込む倫子さまよ…」「事情聴取始まったよ」「倫子さまの飴からの鞭」「絶対信じてないよなw」「目が笑ってない」「只事ではないまなざし」とざわざわ。「嘘が下手だね道長」「バレバレなんですけど」と道長の詰めの甘さを指摘する声も多くあった。
まひろはのちに道長と倫子の娘である彰子(見上愛)に女房として出仕する展開となるが、道長の思い人がまひろであることを倫子が“突き止める”日は来るのか。さらに、ドラマ公式サイトの源明子の人物紹介に「のちに、まひろ(紫式部)の存在に鬱屈(うっくつ)がたまっていく」とあり、これが道長絡みであるとするなら、かつて道長の父・兼家(段田安則)を呪詛した明子の執念深さを考えるとかなりの修羅場となりそうだ。(石川友里恵)