『ゴジラxコング』ゴジラの脱皮が検討されていた!タイタンの進化、監督が熱弁
映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』(全国公開中)を手がけたアダム・ウィンガード監督は当初、ゴジラが脱皮することを考えて製作していたという。ウィンガード監督がタイタン(怪獣)の進化について、映画の公式インタビューで熱く語っている。
前作『ゴジラvsコング』で二大怪獣の激闘を描いたウィンガード監督は、「俳優と同様に、以前にゴジラとコングとの共同制作経験があれば、信頼関係が築けることは間違いありません」と続編製作への自信をのぞかせる。同時に「彼らの撮影スタイルを理解し、最適なアングルを把握することは、彼らとの充実した映画製作においてしか習得できません。なぜなら、高さ100メートルの生物を撮影することは、時折精神的な挑戦を伴うからです」とその難しさも明かす。
ウィンガード監督が特に興味を示したのは、「コングとゴジラも進化し続けている」という点だった。特にゴジラに関しては、開発初期から「新しい外観を採用したい」と考えていたという。
「『ゴジラvsコング』では、他の映画との連続性を確立することが本当に重要でした。ゴジラは、私たちがモンスター・ヴァースで確立したゴジラの特有の雰囲気を感じさせ、同様にコングも同じキャラクターとして認識されるべきでした。私はこのキャラクターに新しい外観を与え、アップデートする機会を楽しみにしていました。この種の映画では、キャラクターが次の映画で異なる姿に変わることがよくありますが、それについてはあまり議論されません。ですから、開発初期からゴジラに新しい外観を採用したいと考えていました。ただし、それは映画内で起こる出来事に駆動され、実際に進化が描かれることを望んでいました」
ゴジラの進化を描くにあたり、「もともとはゴジラが脱皮することを考えていました」とウィンガード監督。残念ながら、「ストーリーが違う方向に進んでしまいました」とその案は幻となってしまった。
また、進化したゴジラはピンク色にカラーチェンジするが、これはウィンガード監督の好みが採用されたものだ。「私の好きな色はピンクです。ピンクと青は私の好きな色なので、ゴジラをその方向に押し出すのは自然なことでした」
新デザインのゴジラについて、ウィンガード監督は昭和の怪獣映画を例えに熱弁している。「ゴジラを昭和の不条理な感覚に少し押し出すことができたと思います。ゴジラが飛び回ったり、ドロップキックを決めたり、さらには踊ったりするのが大好きでした。ゴジラがダンスを始めたら少し反発を受けると思いますが、あの昭和の狂気に影響を受けたものです。そこで問題になったのは、『あの昭和の不条理を地に足のついたものにできるか、1980年代のアニメのような雰囲気を地に足のついた現実的なものにできるか』ということでした。それが、基本的に私がやろうとしていたことでした。私は常に不条理と現実の境界線上にいたいと思っていて、この映画では常にその境界線で遊んでいます」(編集部・倉本拓弥)