「ブルーモーメント」山下智久が“藍沢先生化”した瞬間
山下智久主演のフジテレビ連続ドラマ「ブルーモーメント」(毎週水曜・22時~22時54分)の第3話が8日に放送され、山下演じるSDM(特別災害対策本部)気象班統括責任者・晴原柑九朗が、大ヒットドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」のフライトドクター・藍沢耕作と“一致”する瞬間に沸いた(※一部ネタバレあり)。
小沢かなの漫画「BLUE MOMENT」を実写化する本作。第3話は、強風注意報が出ているエリアで発生した火災現場での救助活動と共に、ある出来事をきっかけにメスを握れなくなった天才脳外科医・汐見早霧(夏帆)を軸にしたエピソードが展開した。
~以下、第3話のネタバレを含みます~
SDMでは医療チームが加わることが不可欠であり、その候補者の一人が早霧だった。晴原との出会いは最悪で、早霧のプロフィールで「SDMで目指すこと」が空欄だったことに晴原は渋い顔。「腰かけか、迷惑だ」という晴原に対し、早霧は売り言葉に買い言葉とばかりに「腰かけてあげたことに感謝してもらいたい」と言い返し、険悪なムードに。レスキュー隊員の園部(水上恒司)も初めはそんな早霧に反発していたが、救助者とのやりとりから早霧の鋭い洞察力を見抜いた園部は、彼女が力を発揮しきれない原因を本部に調べさせ、晴原に共有した。
「完全に藍沢先生w」と視聴者が歓喜したのが、晴原が早霧に「問題は手じゃない。心だ」と切り出し、「俺が“診断”してやる」と言い放ったときのこと。早霧のトラウマはかなり深刻なもので、かつて誰もがさじを投げた少女(新井美羽)の命を救ったにもかかわらず、彼女は早霧の目の前で命を絶とうとした。早霧の右腕の傷は、その時に少女を助けようとして負ったけがによるものだった。
晴原の“診断”は、希望は時に災いになり、絶望は悪いことばかりではないというもの。早霧が口ではケガを治すと言いながらも心のどこかでもう治らないとわかっているはずだと指摘したうえで、かつて自身が気象予測を見誤りかけがえのない存在(本田翼)を失い絶望した過去を告白。「絶望しきった先に残ったのは命の重さだった。目の前の命を救いたいという思いだった」「絶望の先に最後に残るのは何だ? それを心に刻み、前に進め。絶望の谷を這い上がり、継続の大地を歩め。俺からの“診断”は以上だ」と早霧を勇気づけた。
そんな晴原の真摯な姿に「重みがある」「藍沢先生にしか見えない」「心の病を診断する藍沢先生…じゃなくて晴原」「そのまま脳外科医として手術始めちゃったら?」と山下の当たり役である藍沢ドクターを重ねる声が続出し、ともすれば非情な印象を与えそうなキャラクターを鮮やかに演じ切る山下の演技力が視聴者をくぎづけにしていた。
相変わらず名言多数でクールな晴原だったが、ランチ中に若い女性たちから「ハルカン先生ですよね? いつもSNSチェックしてま~す(ハート)」とチヤホヤされるなり、爽やかな笑みを浮かべて愛想を振りまく“豹変ぶり”も注目を浴び、助手の雲田(出口夏希)は呆れを通り越して「ここまでくると立派な“芸”ですね」と感心していた。(石川友里恵)