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『猿の惑星/キングダム』ラストシーンが意味すること 監督に聞く続編の可能性【ネタバレあり】

画像は『猿の惑星/キングダム』より
画像は『猿の惑星/キングダム』より - (C) 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 映画『猿の惑星/キングダム』(全国公開中)のプロモーションのため来日したウェス・ボール監督がインタビューに応じ、ラストシーンが意味すること、さらなる続編の可能性について語った。(以下、本編の結末に触れています。映画鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします)

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 『猿の惑星』シリーズの完全新作として製作された本作は、人間と猿の逆転劇から300年後の世界を舞台に、新たな猿の主人公・ノア、秘密を握る人間の少女・ノヴァ、猿の帝国を築く冷酷な独裁者プロキシマス・シーザーたちの物語がつづられる。

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 1968年のオリジナル版は、映画史に残る衝撃的なエンディングとして今日まで語り継がれている。『キングダム』も同様に、観客を驚かせる結末が用意されていた。

 人類の生き残りであるノヴァは、猿たちに言葉が話せることを隠しており、本当の名前はメイであることが明かされた。メイの目的は、人類の文明が詰まった貯蔵庫から“人類に言葉を取り戻す”とある物を入手することで、ノアたちと共に貯蔵庫に侵入し、ハードドライブを回収する。その後、ノアに別れを告げたメイは、人間たちが密かに研究を続ける謎の施設に辿り着き、回収したハードドライブを生存者に手渡す。メイが入手したハードドライブによって、衛星システムが起動し、人類は再び遠くの者たちと連絡できる手段を獲得した。

来日したウェス・ボール監督

 『猿の惑星/キングダム』の物語はノアやプロキシマス・シーザーら猿たちが主軸だが、ボール監督は「最後まで観ていただくと、猿と人間の物語だったことがわかります。序盤は猿たちのストーリーが語られますが、ラストでは人間たちも登場します。猿と人間が出会い、共に冒険するなかで、両者の関係が複雑に絡み合い、結果的にメイがある決断に至ります」と説明する。

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 メイが生存者に渡したハードドライブは、シリーズの今後において「ある程度重要なアイテム」だという。「本作で描かれる人間たちは、基本的にテクノロジーを失っています。私たちは、生きるためにテクノロジーに依存している種族です。メイは、テクノロジーを復活させ、世界を元に戻すために動いているのです。(ラストに登場した)あのツールは、人間をより強大にするでしょう」

 「問題は、あのツールを使って彼らが何をするのかです。メイのミッションは、失われた人間の言語能力を取り戻すこと。実は、これには複数の意味が込められています。人間は、ウイルスによって“言葉を話す能力”を奪われました。それだけではなく、“世界中にいる人間と話す能力”を失っているのです」

 次回作が製作されれば、人類の再興について「もう少し掘り下げたい」と話すボール監督。現時点で続編に関して具体的な動きはないそうだが、「いくつかアイデアはあります」と期待をのぞかせた。「『猿の惑星』はスタジオにとって重要なコンテンツです。可能であれば、できるだけ多くの作品を製作したいと思います。私たちも複数の物語を語れるように、キャラクターやストーリーを考えています。各企画を単独映画として考えて、序破急で構成しています。本作のエンディングを観れば、さらなる物語へのドアが開いた状態であることがわかります。映画の評価が高ければ、語ることができるはずです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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