吉田美月喜『ルックバック』京本を好演 難オーダーこなし監督も「完璧」と絶賛
女優の吉田美月喜が1日、ユナイテッド・シネマ豊洲で行われたアニメーション映画『ルックバック』の完成披露舞台あいさつに、河合優実、押山清高監督と共に登壇した。吉田は押山監督から「引きこもりっぽい感じがした」と言われたことに衝撃を受けたことを明かしていた。
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本作は、2021年7月に漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」で発表され大反響を呼んだ藤本タツキによる同名漫画を、アニメーターとして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『風立ちぬ』など、数多くの話題作に携わってきた押山監督が映画化。クラスの中心的存在である藤野(河合)と、引きこもりの少女・京本(吉田)が、漫画という接点によって友情を育んでいく姿を描く。
吉田が声を吹き込んだ京本は、引きこもりながら漫画を描いていくなかで、藤野に嫉妬されるほどの才能を発揮する少女。オーディションでこの役を勝ち取った吉田は、本作が声優初挑戦となり「すごく難しかったです」とアフレコの感想を述べると「これまでのお芝居の台本とも違うし、ラフの映像を観るのも初めてでした。最初は学ぶことから入りました」と戸惑いも多かったという。
しかも京本は秋田なまりを持つ少女で、早口で言葉を発するという難易度の高いキャラクター。押山監督からは「あまり練習をしすぎないように」というオーダーもあった。吉田は「なるべく練習をしないようにしつつ、方言はしっかり訓練しないといけない」という矛盾を抱えつつの準備に難しさを感じたというが、押山監督は「本番で完璧なのでびっくりしました」と吉田の演技のクオリティーに舌を巻いたという。
さらに押山監督は「京本は登場シーンが少ないのですが、そのなかでどうキャラクターの存在感を際立たせるかが課題だった」と語ると「物語で描かれていない京本のバックボーンをとてもうまく表現してくれました」と吉田を絶賛する。
吉田は「押山監督が、わたしの声に引きこもりを感じたと話していたのが衝撃的だったんです」と起用理由の一つになったエピソードを明かすと、押山監督は「オーディションのとき、陽キャの方が多かったんです。吉田さんには声の印象として陰キャ感があった。この子(が演じる京本)はネガティブそうだと声から感じたんです。しゃべり慣れていない感じがすごく表現されていた」と言葉の真意を明かす。
吉田は押山監督の言葉に「オーディションで見つけていただいて、ありがとうございます」と笑顔を見せると「京本の不器用だけれどまっすぐなところが、この作品の一つの輝きだと思うので、大切に演じさせていただきました」と語っていた。(磯部正和)
映画『ルックバック 』は6月28日より全国公開