『キリエのうた』5時間半超えのドラマ版放送 ビジュアルも公開
岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンド主演の映画『キリエのうた』の再編集を行った全10話、5時間半超えのドラマ版が「路上のルカ」のタイトルで7月28日より日本映画専門チャンネルで放送されることが決定した。あわせて「路上のルカ」オリジナルのポスタービジュアル、場面写真も公開された。
【画像】アイナ・ジ・エンド、松村北斗ら「路上のルカ」場面写真
2023年10月13日に劇場公開された本作は、主演のアイナ・ジ・エンドが日本アカデミー賞新人俳優賞や報知映画新人賞などを受賞。日本アカデミー賞では話題賞にも輝いた。東日本大震災を挟み、石巻・大阪・帯広・東京と4つの地での物語が時系列が入り乱れる構成で展開するが、実は岩井監督が自ら書き上げ、撮影でも使用された脚本は時系列に沿って執筆されており、作品タイトルも異なるものだった。ドラマ版は、この脚本と、撮影終了後の初期編集版を基に、岩井が公開から1年弱を経て再編集を行ったもの。
大阪で放浪生活を送っていた少女・ルカ(アイナ・ジ・エンド)は小学校教師のフミ(黒木華)に保護される。成長したルカは姉の恋人だった夏彦(松村北斗)と北海道帯広で過ごし、女子高生マオリ(広瀬すず)との友情を育むが、彼女を待ち受ける運命は常に過酷なものだった。東京に辿り着いたルカはミュージシャンとなり、“キリエ”と名乗り路上で歌い始める。そこで再会したマオリは“イッコ”と名乗り、変幻自在なコスプレと男性関係で東京を生き抜いていた……。
ドラマ版では、アイナ・ジ・エンド演じる主人公キリエと、松村北斗演じる夏彦とのシーンや、映画本編ではカットされた楽曲「幻影」をキリエが歌唱するシーンなど、DVDの特典としても未収録・未公開の映像をふんだんに使用している。
岩井監督は放送に向けて「『路上のルカ』は『キリエのうた』のそれぞれのエピソードをじっくりたっぷり描いていて、物語の向かって行く先は一緒でも、まるで違う体感、読後感の作品になりました。音楽も出来る限りロングサイズに編集しました。怒濤のように駆け抜けたあの物語をミュージアム感覚でゆっくり堪能して頂けるかと思っております。是非、ご覧下さい!」とコメントを寄せている。(石川友里恵)
「路上のルカ」(全10話)は7月28日よる6時30分~深夜0時40分、日本映画専門チャンネル(BS255)で独占テレビ初放送