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山田裕貴『ウルトラマン』との出会いは運命 戦隊デビューから13年、再確認した特撮の影響力

『Ultraman: Rising』で“変身”! - 日本語吹き替え版声優の山田裕貴
『Ultraman: Rising』で“変身”! - 日本語吹き替え版声優の山田裕貴

 円谷プロダクションとNetflixが共同製作したCGアニメーション長編映画『Ultraman: Rising』で、ウルトラマンに変身する主人公サトウ・ケンの日本語吹き替え版声優を務めた山田裕貴。本格俳優デビュー作「海賊戦隊ゴーカイジャー」(2011~2012)から13年、また新たに日本を代表する特撮ヒーローに“変身”した山田がインタビューに応じ、「運命を感じた」というウルトラマンとの出会いや、キャリアの原点でもある特撮の影響力について語った。

【動画】山田裕貴、戦隊ヒーローからウルトラマン声優で新たな“変身”!インタビューの様子

思い出のウルトラマンはティガ、ダイナ、ガイア

ウルトラマンのフィギュアを眺める山田裕貴

 幼少期から特集ビデオなどで「ウルトラマン」シリーズを観ていた山田は、特にTDG三部作(「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンガイア」)が印象に残っていると話す。「『ティガ』はV6さんが主題歌を担当されていて、楽曲も歌えるぐらい印象に残っています。ティガやダイナはタイプチェンジして、青(紫)色だとスピードが速くなり、赤色ではパワーが強くなる設定がすごく魅力的です」

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 山田は今年4月、本作への出演について「僕の生い立ちからしてもこの作品には運命めいたモノを感じています」と自身のSNSにつづっていた。主人公サトウ・ケンは野球界のスター選手として世間から脚光を浴びており、元プロ野球選手を父に持つ山田にも重なるものがあった。

 「父親がプロ野球の世界にいたので、すごく縁を感じています。声のみではありますが、ずっと憧れていたプロ野球選手にもなることができました。サトウ・ケンは、かつてウルトラマンとして活躍していた父親と、あまり一緒の時間を過ごすことができませんでした。僕の父親も、シーズン中の半分近くは違う土地でプレーしていたので、会いたくても会えなかった存在。父と子の距離感は、ケンに共感する部分がありました。30代に入ってから親子について考えることも増え、そこに縁を感じていたので、『運命めいたモノを感じています』とコメントしました」

 昨年も映画『ゴジラ-1.0』『BLUE GIANT』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦-』や大河ドラマ『どうする家康』など、話題作に数多く出演した山田。「みなさんに顔と名前を知っていただけるようになってきた」と役者としての成長を実感しており、『Ultraman: Rising』に参加できたのは「ベストなタイミングです」と打ち明けた。

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苦戦した吹き替え…声優・木村昴がサポート

『Ultraman: Rising』より - (c)円谷プロ

 今をときめく野球選手であるサトウ・ケンは、大勢のマスコミが駆けつける記者会見でも物怖じせず、スター性を放っている。一方で、母親は消息不明となり、父親と過ごす時間もなくなり、ウルトラマンとして戦う中で孤独を感じることもある。

 「作品のセリフにもありますが、ケンは賞賛やお金がほしいとかではなく、関心を持ってほしい人だと思うんです」と切り出す山田。ケンの姿にかつての自身の姿を重ねる瞬間もあったそうだ。「僕もケンと一緒で、父親に見てもらいたかったですし、見守っていてほしかったです。でも、忙しかったので家にいなかったり、会話もあまり多く交わすことはなかったので、ケンも同じように『寂しい』という思いを父親にまっすぐ伝えられなかったんだろうなと思いながら、自分を重ねていました」

 『BLUE GIANT』『ONE PIECE FILM RED』などで声優経験がある山田だが、洋画作品の吹き替えは初めての挑戦。「海外の俳優さんの声が乗った状態で練習するので、その俳優さんの作り上げたテンションがあるので、英語版のケンに合わせていくことは、すごく難しかったです」とアフレコ当時の苦労を明かす。

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 「家で初めて台本を読んだ時、英語の音声が入っている映像に合わせて該当のセリフを照らし合わせることが難しくて。確認していたセリフのシーンがいつの間にか終わっていたり、同時期に他の作品の撮影もあって焦りを感じたので、一度練習させてくださいと相談しました」

 そんな山田を手助けしたのが、友人である声優・木村昴だった。「木村昴くんに教えを請い、『台本の秒数を計り、いつ鼻で息を吸うのか、口で吐くのか、何回息つぎをしたのか確認する』など色々とアドバイスをもらいました。教えてもらった通りにまずはメモを取るところからスタートしました」

「ゴーカイジャー」から13年…実感する特撮の影響力

「ゴーカイジャー」から13年、山田裕貴はこれからも人々に夢を与え続ける

 山田の俳優人生の原点でもある「ゴーカイジャー」から13年。当時リアルタイムで応援していた後輩俳優たちから「観てました」と言われることも多いそうで、「『自分がそんなに年を取ったんだ……』と感じると同時に嬉しさもあります」と改めて特撮の影響力を再確認する。

 同作がテレビ放送されていた2011年、東日本大震災が日本列島を襲った。山田は「『僕たちの仕事は物理的には人を救うことができない』ということを痛感させられました」と当時を振り返る。

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 「自分はヒーローを演じているのに、みんなのことを救うことができない。『自分の仕事ってどういう意味があるんだろう?』と考えた時期でした。でも、作品が広がることで『頑張ろう』と思ってもらえるかもしれないですし、テレビを通してヒーローの姿を届けることによって、みんなに元気を与えることができるかもしれない。そういったことを感じることができました」

 海外にも熱狂的なファンが多い特撮はもちろん、山田が出演した『ゴジラ-1.0』が米アカデミー賞で日本映画初の視覚効果賞を受賞するなど、日本のコンテンツが世界で戦えることを証明している。「『日本なんて、海外に行ったら通用しない』という声が多かった中、『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督は海外で戦うことができることを証明してくださった。Netflixさんを筆頭に日本の作品が世界で戦っていることにすごく勇気をもらっていますし、俳優としての励みになります。それは、ヒーロー映画だからとか怪獣映画だからとかは関係ありません。『日本の作品がすごい』ということが伝わったらいいなと思いながら、応援してくださるみなさんの声を力に変えて進んでいます」と微笑んでいた。(取材・文:編集部・倉本拓弥、撮影:中村嘉昭)

Netflix映画『Ultraman: Rising』2024年6月14日(金)全世界独占配信

山田裕貴、戦隊ヒーローからウルトラマン声優で新たな“変身”!Netflix映画『Ultraman: Rising』単独インタビュー » 動画の詳細
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