『クワイエット・プレイス:DAY 1』重要な役割を担う前作キャラクター 監督が明かす初期構想
大ヒットホラーシリーズ最新作『クワイエット・プレイス:DAY 1』(全国公開中)を手がけたマイケル・サルノスキ監督が、前作『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(2020)から再登場するキャラクターや、本作の参考になったという作品について語った。
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「音を立てたら、即死」する終末世界で生き残る、とある家族の絆を描いてきた同シリーズ。最新作は、大都市・ニューヨークを舞台に、音に反応して人間を襲う“何か”が地球に降り立った最初の日(=DAY 1)を描く前日譚だ。
メインキャストの中には、前作『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』に登場したジャイモン・フンスーが名を連ねている。ジャイモンは、アボット家の長女リーガン(ミリセント・シモンズ)と一家の知人エメット(キリアン・マーフィー)が辿り着いた島の長を演じており、“何か”が襲来した日にニューヨークから逃げてきたことを告げていた。
サルノスキ監督は、ジャイモンが本作で演じるキャラクターは「エメット(キリアン)とリーガン(ミリセント)の二人が最終的に辿り着く島にいた人物です」と強調し、「本作の最初の構想は、ジャイモンのキャラクターが2作目で語る、襲来が起きたときにニューヨークにいたことや、人々が船で逃げようとしていたことについての話から生まれました」と最新作の秘話を明かす。
「2作目で彼が話していたことを、そのままこの映画で見せるのは不必要だと思った」というサルノスキ監督は、彼が語った出来事に居合わせた人物の物語を描くことにシフトした。「ジャイモンのキャラクターは、序盤で主人公・サミラ(ルピタ・ニョンゴ)にとって重要な役割を果たします。2作目で彼が語ったストーリーの片鱗を見ることができますし、彼がすでにリーダー的な役割を担い始めていることも分かります」
サルノスキ監督が本作を準備する際、参考として撮影監督のパット・スコラと話題に挙げていたのが、オスカー監督のアルフォンソ・キュアロンが2006年に発表したディストピア映画『トゥモロー・ワールド』だ。「この作品は、特にアクションシーンにおいて、壮大な物語を非常に緻密な視点で描いています。臨場感があり、まるで登場人物たちとそこにいるような感覚でした。私にとって大事なことは、登場人物が今この瞬間に経験していることに集中することなのです」
本作には、前2作を手がけたジョン・クラシンスキー監督もプロデューサー・原案・ストーリーとして携わっている。「ジョンは、私が監督した映画『PIG/ピッグ』に共鳴してくれたことから、このプロジェクトに私を起用してくれました」とサルノスキ監督は語る。
「ジョンは、“これが私の世界だ。これをニューヨークの『DAY 1』として描こうと思っている。その世界で君が伝えたいストーリーはどんなものだろう?”と私に尋ねました。物語は最終的に、とてつもなく親密なものになりました」と続けたサルノスキ監督。クラシンスキーは常に協力的で、サルノスキ監督に製作面で多くの自由を与えていたといい「彼は、この映画をもう一人のジョンによる『クワイエット・プレイス』にしようとはしていませんでした。この世界を開き、その中で他の声を聞くことを心から望んでいたのです。そして、彼はこの映画にとても満足しています」と振り返った。(編集部・倉本拓弥)