永瀬廉『よめぼく』三木孝浩監督が秋人と重ねた“憂い”の魅力
作家・森田碧のベストセラー小説を実写化したNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』(配信中)で主演を務める永瀬廉(King & Prince)の魅力を、本作のメガホンを取った三木孝浩監督がオフィシャルインタビューで語っている。
本作で永瀬が演じるのは、美術の才能に恵まれながら、心臓に悪性の腫瘍が見つかり、余命1年と宣告されてしまった高校生・早坂秋人。ある時、病院で「あと半年の命」と明かす朗らかな少女・桜井春奈(出口夏希)と出会った秋人が、自身の病を隠しながら彼女のために懸命に生きる姿が描かれる。
珠玉の恋愛映画を数多く手がけてきた三木監督。永瀬とは初タッグだったが、もともとその「憂いを帯びた声」が好きだったという。「陽と陰で言うと、陰のニュアンスを持った方だなと思っていました。それが秋人の諦観した感じや、自分の運命を自嘲的に捉えているところ…でも落ち込む時はしっかり落ち込むみたいなキャラクターと重なるなと。ご本人は普段はとても明るい関西のお兄ちゃんですが(笑)、お芝居になるとふとした瞬間に憂いの部分が表出する。それは永瀬くんの魅力だなと思います」
余命宣告からすべてを諦め、感情を押し殺しながら淡々と過ごしていた秋人だったが、春奈との出会いによって、残された彼の日々は色づき始める。三木監督は「秋人に関してはこれまで斜に構えていた彼が、春奈に出会うことで“ただただこの子のために生きたい”と思うようになる、変化のカーブを描きたかった。それには永瀬くんがもともと持っている人の良さ、一生懸命さ、健気さが必要だったし、そこはうまく引き出せたのかなと思っています」と永瀬にぴったりの役だったと語っている。
撮影中は「本来とても人懐っこい」という永瀬と会話が弾むことも多かったという三木監督。「普段は関西弁ですし、僕も四国出身で西寄りの人間なので、会話するのがすごく楽しかったし意思疎通がしやすかったなと思います。撮影中分からないことや疑問があると、ポイントポイントで質問してきてくれるし、秋人の感情の出し方のニュアンスについてはかなりディスカッションしました。分からないことははっきり聞いてきてくれるタイプで、それもやりやすかった点のひとつです」とお互いに抜群の信頼関係を築けたようだ。(編集部・入倉功一)
Netflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』世界独占配信中