「孤独のグルメ」映画化決定!主演・監督・脚本は松重豊
2012年よりテレビ東京系列で放送されているドラマ「孤独のグルメ」が、『劇映画 孤独のグルメ』(2025年1月10日公開)として映画化され、主演の松重豊が監督・脚本を務めることが10日、都内で行われた「『孤独のグルメ』プロジェクト発表会見」で発表された。松重は「深夜の小さな番組が、こんな晴れやかな場に出るなんて想像できませんでした」としみじみ語ると、映画製作の秘話を明かした。
【写真】「孤独のグルメ」2017年の制作発表会見に照れる松重豊
「孤独のグルメ」は、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによるハードボイルドグルメ漫画のドラマ化作品。2012年にテレビ東京系で放送されると、松重演じる輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎の、食欲をそそるような大胆な「食べっぷり」や情緒あふれる「心の声」に多くの共感が生まれ、スペシャルドラマや、配信オリジナルドラマを含め、シーズン10まで放送されるという長期シリーズとなった。
この度、テレビ東京開局60周年特別企画として「孤独のグルメ」プロジェクトが始動。2025年1月10日に、劇場版映画『劇映画 孤独のグルメ』が公開され、主演の松重が監督、脚本も務める。さらに多彩なキャストを主人公に迎え、初のオムニバス形式でつづるドラマ「それぞれの孤独のグルメ」も制作され、10月4日から放送されることが発表された。
12年続くシリーズが劇場版になった経緯について松重は「シーズン10が大きな節目なんだろうなと思っていたんです」と語ると「長く続いてお客さんが増えて、アジアでも評価を得ました。そのなかで『これからどうするんだろう』と思ったとき、大風呂敷を広げて映画化はどうだろうって思ったんです」ときっかけを語る。
さらに松重は「作品を立ち上げたプロデューサーをはじめ、スタッフが抜けてしまっていた」という現場の事情を明かすと「小さなスタッフで作っている作品ですが、このまま続けていくにはスタッフの成長が間に合わない。特に食べ物を扱うために、しっかりした監督が必要だと思った」と明かす。
松重は最初オムニバス映画『TOKYO!』(2008)の一編「シェイキング東京」で作品を共にした韓国の巨匠ポン・ジュノ監督にお願いしたという裏話を披露すると「手紙を書いたのですが、スケジュールの都合で難しい」と断られてしまったという。その後、日本人の監督を探していたものの「全体を束ねる役割を自分がやったらどうなのだろうか……という思いがわいてきた」と自身が監督を務めるというアイデアが膨らんでいったという。
内容について松重は「ラブストーリーを主軸に大冒険ものにしたいと思った」と一端を明かしていた。(磯部正和)