『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』ベネチア映画祭XR部門シリーズ初ノミネート
アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの没入体験型VR映像『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』が、8月28日~9月7日(現地時間)にイタリアで開催される、第81回ベネチア国際映画祭のエクステンデッドリアリティ(XR)部門「Venice Immersive」にノミネートされた。バンダイナムコフィルムワークスによると、ガンダムシリーズが国際映画祭にノミネートされるのは今回が初となる。
本作は、バンダイナムコフィルムワークスが、多数のVR作品を手掛けた Atlas V 社との共同により制作するVR長編映画。宇宙世紀0096年を舞台に、連邦でもジオンでもない非公式の傭兵組織アージェント・キールに所属する主人公として物語に参加しながら宇宙世紀を体験する映像作品となり、Meta社のVRヘッドセット・Meta Quest で展開予定。
監督は鈴木健一、脚本は関西リョウジ、キャラクターデザインはことぶきつかさ、メカニカルデザインは明貴美加が担当する。
本年度のベネチア国際映画祭XR部門「Venice Immersive」はラッヅァレット・ヴェッキオ島で開催され、バーチャルリアリティ(VR)技術だけでなく、あらゆるXRの創造的表現手段を対象としたイマーシブ・メディア・プロジェクトがノミネートされ、その中から賞が授与される。鈴木健一監督のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
鈴木健一監督
ヴェネチア国際映画祭のイマーシブ部門にノミネートいただき、心より感謝申し上げます。
そして、この挑戦的なプロジェクト、VR映画『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』に参加できたことを大変嬉しく思います。
2Dアニメーションの監督業を専門とする私にとって、このプロジェクトは「2Dアニメーションとは異なる演出手法」や「制作手法」などに取り組む非常に刺激的で挑戦的な経験でした。私も含めVRに初めて取り組むスタッフも多く、制作過程では困難を極めましたが、Atlas V やスタジオALBYONの協力のもと、ガンダム作品の持つ特性をどのようにまとめるか、VR特有の演出技法やCGの技術的なレギュレーションなど、多くの問題について、積み木を一つ一つ積み上げるように皆で解決することが出来ました。今では、革新的な映画が完成したと確信しています。
ガンダムは日本のカルチャーとして深く根付いており、誰もがユニバーサルセンチュリーを体験できる今回のVR映画は非常に興奮するコンテンツだと自負しています。「ユニバーサルセンチュリーの世界へ自ら主役になって参加できる」と子供の頃の自分に伝えたいですね。また、バンダイナムコグループでは既に等身大のガンダム立像がありますが、VRはその「世界観」や「キャラクター」と「ストーリー」を体感できる点で革新的だと考えております。
具体的な内容の説明は控えさせて頂き、ぜひ皆さんにはVRで実際に観て感じていただき、感動を共有したいと思っております。
今後、このようなVR映画は新しいフォーマットの一つとして確立していくと信じています。
そして最後に、改めてご招待頂いた幸運な機会をスタッフと共有したいと思っております。
ありがとうございました。